ヤフーが運営する地図情報サービスの公開実験サイト「LatLongLab」で、ちょっと面白い実験サービスがひっそりと公開されていた。サービス名称は「ぽ地図」というものだ。 「ぽ地図」は、みたところ変哲のない地図上のビル、店舗情報などがクリックできる案内サービスだ。これだけではGoogle Mapsとどこが違うのか疑問に思うかもしれない。特徴は地図上のビル名や店舗名、施設名を直接クリックできる点だ。一般的な地図サイトの付加情報サービスは、地図上の文字もグラフィックデータであることが多いので、その文字にリンクを直接張ることは難しい。CGM型のタグ機能は、緯度・経度情報とタグ情報を結びつける方式で実現している。CGM型のサービスはこれのほうが都合がよいのだが、反面、地図上に余計な「フキダシ」やアイコンが煩雑に表示され、本来の地図が非常に読みづらくなってしまう。 「ぽ地図」では、地図上の文字でリンクされている部分はマウスオーバーでハイライト表示される。クリックすると左のペインに住所情報(電話番号案内登録がベース)や検索結果、画像検索などが表示される。地図の表示を崩すことなく関連情報が見られるのだ。 たいした機能ではないという意見もある。記者自信も最初はこれのどこがすごいのだろうかと思った。しかし、地図上の文字情報を直接クリックできるという本来自然なインターフェイスがユーザーに機能を意識させないということだろう。地味ではあるが、存在や操作を主張しないUIの洗練度は高い。 ただし、この機能ため地図の表示ロジックは専用のものとなるので、CGM系のサービスには向かないかもしれない。たとえば自治体の観光地図やイベント案内での応用が考えられる。左のペインに表示される情報は、現在はYahoo!検索などの結果だがターゲティング広告などの可能性もありそうだ。 現在「ぽ地図」がカバーしているエリアは以下のとおりだが、これも適宜追加、更新していきたいとしている。(1)関東(東京駅/銀座/秋葉原/池袋/新宿/渋谷/横浜駅/中華街/元町)(2)東海(名古屋駅/栄/大須/岐阜柳ヶ瀬(3)関西(梅田・北新地/心斎橋/難破・道頓堀/川原町/祇園/清水寺/哲学 の道・銀閣寺/奈良/三宮/元町/ハーバーランド) ※縮尺:およそ1/1,500※[お詫びと訂正]初出時、一部情報に誤りがございました。訂正するとともに、お詫び申し上げます。