10月26日、“Action ! for Earth.”をスローガンにエコロジーを全面に押し出して開催された「第21回東京国際映画祭」がいよいよ閉幕の日を迎えた。地球環境に配慮した映画祭を象徴するグリーンカーペットがオープニングセレモニー同様、渋谷のBunkamuraオーチャードホール前にも敷き詰められ、劇場入り口ではクロージング作品「ウォーリー」の主人公が世界各国から集まった映画人たちと観客を迎え入れた。 最初に到着したのはアジアの風部門の面々。韓国映画「モーツァルトの街」のチョン・ギュファン監督とプロデューサーのチェ・ミエ。トルコ映画「私のマーロンとブランド」のフセイン・カラベイ監督は髭はあっても柔和な笑顔が魅力的。赤い蝶ネクタイはフィリピン映画「またたき」のロナルド・M・バートゥビン監督だ。 大胆なスリット入りドレスで登場したのは、コンペティション部門のアメリカ映画「ハーフ・ライフ」でアニメと実写を融合させるユニークな手法で楽しませたジェニファー・パング監督。お伴はプロデューサーのルーベン・リムとアラン・T・チャン。続いて、同部門インドネシア映画「アンダー・ザ・ツリー」で苦悩する妊婦役を演じたアユ・ラスクミがレースをあしらった衣装で到着。合掌しながら丁寧にお辞儀をする姿も美しく印象的だ。 エコロージーをテーマにした新設部門natural TIFFからは、スペイン映画「フェデリコ親父とサクラの木」のホセ・アントニオ・キロス監督とグリーンのカマーバンドが光るプロデューサーのロリス・オメデオ。そして、ブラックのミニドレスにゴールドのストールを合わせたのはカナダ映画「セイヴィング・ルナ」のスザンヌ・チズム監督。 団体で到着したのは貧困に負けず夢を追い続ける主人公のカルロス少年を演じたマリオ・ホセ・チャベス・チャベスに注目が集まるニカラグアを舞台にしたコンペティション部門の「プラネット・カルロス」チーム。一際目立つ長身は、ドイツ人のアンドレアス・カネンギーサー監督。 カザフスタンの草原に生きる遊牧民家族の日々を描いた「トルパン」からは、セルゲイ・ドヴォルツェヴォイ監督、一日も早く結婚して独立したい主人公アサを演じたアスハット・クチンチレコフと、その姉を演じたサマル・エスリャーモヴァの3人。 続いて登場したスキンヘッドにオフィシャル・カラーのグリーンの蝶ネクタイでキリリと決めているのは、ロシア人のミハイル・コズィリョフ監督。キューバの美しい海がまぶしい「オーシャン」をコンペティション部門に出品。 17年ぶりの新作「アンナと過ごした4日間」でコンペティション部門に参戦したのは、ポーランドの巨匠イエジー・スコリモフスキ監督。共同で脚本を手がけた夫人のエヴァ・ピアスコフスカとのツーショットで登場。 バルセロナの街を行き交う人々の群像劇というスタイルをとりながら、スーダンで泥沼化しているダルフール紛争への関心を喚起させるユニークな「ダルフールのために歌え」の5人組は、ヨハン・クレイマー監督を中心に全員でジャンプのパフォーマンスを披露。 中国が放つスペクタクル巨編「超強台風」はパニックムービーでありながら、しっかり環境問題についても考えさせる異色作。ベテラン監督フォン・シャオニンがエスコートするのは、真っ赤なドレスにパールのイアリングとネックレスが美しい女優のリウ・シャオウェイ。 シンプルかつスリムなスーツで登場したのは、繊細さの中に独特のユーモアが滲む初の長編監督作品「コトバのない冬」がコンペティション部門に選出された渡部篤郎。 イラン初のピュアなラブストーリー「ハムーンとダーリャ」からは、エブラヒム・フルゼシュ監督と、村一番の美少女ダーリャに一途な愛を捧げる少年ハムーンを好演したメラン・ゴルモハマドザデ。 続いて、今年の黒澤明賞がすでに決定しているロシアのニキータ・ミハルコフ監督と中国のチェン・カイコー監督が揃って到着。 八頭身美人を地で行く杏がグリーンアンバサダーとして登場。軽やかなエスニック風プリントドレスは脚線美もシースルーだ。 そして、グリーンカーペットの取りをつとめたのは、脚本家・高田宏治、中国のフォ・ジェンチー監督、プロデューサーのマイケル・ガラスコフ、撮影監督のセザール・シャローン、上品な和装が美しい女優の檀ふみ、そして、アカデミー賞俳優ジョン・ヴォイトからなる国際審査委員団。ヴォイト審査委員長の音頭で横一列に腕を組み、待ち構えるカメラの放列に向かって前進するパフォーマンスを見せ、華やかさと楽しさを一瞬で演出した。