「金融機関でも、それ以外の企業でもSaaSの流れは止められない」。2日、セールスフォース・ドットコムが開催したプライベートイベント「Salesforce LIVE ’08」が開催。みずほ情報総研 金融ソリューション第2部部長の宮田隆司氏によるセッション「金融機関におけるSaaSの活用について」が行われた。 従来型のシステムは、仕様をフィックスしてから開発を開始しサービスをリリースする。しかし、開発を進めている間にもユーザは企業活動を続けており、サービスがリリースされたときには、すでにユーザのニーズとシステムの仕様との間にギャップが出てきてしまう。このギャップを埋めるためにまた開発をすると、常に追かけっこをしている状態に陥ってしまう。このように従来型のサービスでは半年から1年がかかる開発を、SaaS型サービスだと2〜3か月に短縮でき、このギャップが埋められるようになるという。 この開発の早さが金融機関には必要となっている。宮田氏は「消費者保護の規制が年々強化される。規制は待ったなし」と理由をあげた。SaaSは「作り替えることを前提とした業務システム」ともする。 また、従来型のシステム開発の優先順位は、クオリティ(品質)、コスト(費用)、デリバリ(納期)の「QCD」とされていた。「品質は絶対、コストは予算内で、納期はクオリティを担保したうえで安全な期日を決める」ということだ。しかし、「ユーザ側は、デリバリ(納期)が一番」とする。法令対応は期日が絶対であったり、新システムが動かないことによる機会損失をなるべく少なくしたいからだ。「SaaSでは、コストは下げつつ、クオリティは担保できる。『DCQ』の順番でできることが、見えないメリットと考えている」とした。 「まずは顧客接点に関する営業やコールセンタの導入が多い」として、同社が各金融機関に導入したSaaS型サービスの事例を紹介した。ほとんどが営業支援やコールセンターなど、顧客対応に関わるシステムだ。新規開業をしたある銀行では、開始当時はコールセンターが30人規模だったものを、1年後には450人に拡大した事例を挙げた。従来型サービスだと、将来を見越して最初から450人規模のシステムを構築する必要があるが、SaaS型サービスであるため必要に応じて規模を拡大できるため、コストが抑えられるとする。
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