【スピード速報】はhttp://speed.rbbtoday.com/の1週間分の計測データをもとに各種の統計データを速報でお伝えする。このサイトはIXに計測専用サーバを置き、月間計測数は40万を超え、統計データとしても十分な精度と信頼性を持っている。 今回は、7月31日の「イー・アクセスとアッカ・ネットワークスが業務と資本提携を発表」とのニュースを受けて、xDSL系の大手4社における速度帯ごとのシェアを分析する。7月22日〜28日の測定データから最新の手法などによる回線種別分析を行ってADSLのデータのみを抜粋して、NTT東日本と西日本のフレッツADSL、YahooBB ADSL、アッカ・ネットワークス(以下、アッカ)、イー・アクセスの4種とそれ以外に分類し、ダウンロード速度の分布状況を2.5Mbpsおきに集計し速度帯ごとのシェアを算出した。 なお、ADSLによる計測データ全体での平均速度は7.04Mbpsであった。また、合計でのシェアはフレッツADSLが33%、YahooBBが25%であるのに対して、イーアクセスは11%、アッカは8%で合わせても19%に留まった(その他は23%)。 図を見ての通り、最低速度帯を除く全ての速度帯でフレッツADSLがトップであり、17.5〜27.5Mbpsの高速域では、それぞれの過半数を占めている。YahooBB ADSLは2.5Mbps未満の最低速度帯においてはトップシェアであり、10Mbps未満の低速ゾーンではフレッツADSLと同等の高いシェアとなっている。 これに対して、イー・アクセスとアッカは、10Mbps以下の平均より低速な速度域ではそれぞれ1割程度のシェアであり、2社合わせてもフレッツADSL、YahooBBに及ばない。しかし、平均を超える10Mbps台では善戦しており、特に15〜17.5Mbpsの速度帯では、2社合計が32%とフレッツADSL、YahooBBを上回り、トップに立つことがわかる(図の赤い枠)。この速度域はADSL平均速度の倍であり、測定件数がやや少ないことから、一時的な傾向と観ることもできるが、その2つ下の10〜12.5Mbpsの速度帯でも、2社合計が20%でYahooBBを上回ることから注目する価値はあると思われる。 1月の記事「イー・アクセス、アッカ株主へ委任状の呼びかけ」にある通り、ADSLはあと5年〜10年は存続してもおかしくない技術だ。イー・アクセスとアッカの業務・資本提携においても、ユーザーの納得のいく地道な速度改善に期待する。