【スピード速報】はhttp://speed.rbbtoday.com/の1週間分の計測データをもとに各種の統計データを速報でお伝えする。このサイトはIXに計測専用サーバを置き、月間計測数は40万を超え、統計データとしても十分な精度と信頼性を持っている。 今回は、前回の「4割強のアップロード速度はいまだに2.5Mbps未満」にいただいたリクエストにお応えして光ファイバにおけるアップロード速度の実態をお伝えする。2008年2月26日〜3月3日の光ファイバにおける測定データを用いて、アップロード速度の分布状況を2.5Mbpsおきに集計しシェアを算出した。 図を見ての通り、アップロード速度においてもっとも計測数が多かった速度帯は15〜17.5Mbpsである。既報「20Mbps付近のブロードバンドの「団塊」は光の代表速度」で解析したとき、光ファイバのダウンロード速度の最大速度幅は17.5〜20Mbpsのゾーンだったから、アップロード速度はやや低い位置にピークがあることになる。 これに対して、90Mbps以上の最高速ゾーンは全体の1.3%であった。ただし、95Mbps以上の値は計測されていないため、90Mbps以上〜95Mbps未満のゾーンのシェアである。なお、2.5Mbps未満の低速ゾーンにも4%の計測データがあり、各種の事情により光ファイバの本来の能力をほとんど発揮できていない状況が少なからずあると考えられる。 さて、これまで「速度分布シリーズ」に登場した「団塊」速度帯についてだが、今回のグラフにおいて最も不自然な突出はなんと最高速ゾーンにある。グラフ中に示した92.5M〜95Mbpsのあたりがそうであり、このゾーンの下はまるで「魔法の壷」の首のように細くなっている。今までの速度分布グラフでは、「団塊」速度帯が上昇していくことで全体のスピードが上がっていくのではと期待させてくれたが、光ファイバについては、その素晴らしい能力を活かすための条件がなかなか整っていないのかもしれない。最高速のやや下のゾーンが文字通りの「ボトルネック」にならないことを願いたい。