アイシロンの“Isilon IQ”製品ファミリがNASやSANなど従来のストレージと決定的に違うのは、ファイルシステム/ボリュームマネージャ/RAIDを1つのファイルシステム“OneFS”と呼ばれるプラットフォームに統一することにより運用の大幅な簡略化を実現している点にある。このOneFSによってクラスタシステムの構築が可能になり、1,600テラバイトまでの単一のファイルシステムが可能となった。しかも容量追加に要する時間は、ダウンタイム発生なしの60秒以内という。製品ラインとしてはIsilon IQ 200、1920、3000、6000、9000のプラットフォームノードのほか、Isilon EX 6000、EX 9000およびIsilon IQ Acceleratorの拡張ノードが用意されている。また処理能力としてはトータルで10GB/秒まで実現可能、クラスタ内部通信としてInfiniBandにも対応している。
カウイチでは、イメージサーバのバックエンド用として「Isilon IQ 1920」を5台(5ノード)と、負荷分散とNFSフェイルオーバ機能を持つアプリケーションソフトウェア「SmartConnect」を購入した。SmartConnectは、万が一ノード障害が発生した場合も、実行中のすべての読み書きがクラスタ内の他のノードに引き渡されるため、ユーザやアプリケーションの接続が中断されることなく処理を終了することが可能だ。長谷川氏はこれらのアイシロン製品をすべて実環境用として構成し、冗長構成やバックアップ機能はいっさい構成していないが、「Isilon IQのアーキテクチャが理解できていればまったく心配する必要はない」と語る。