光ネットワークが、より身近な存在になるのは、ホームネットワークよりもマイカーの車内ネットワークの方が先かもしれない。そんなことを予感させるものが、FOE 2007の矢崎総業ブース内に展示されている。同社のMOST用光コネクタは、欧州で業界標準となっている自動車向けマルチメディアネットワーク技術「MOST」(Media Oriented Systems Transport)に準拠したコネクタである。 最新の自動車の車内には、従来のオーディオやカーナビに加え、DVDプレイヤーや携帯電話のほか、車種によってはバックガイドモニタやナイトビジョンのようなアクティブセーフティ機器が備わっており、車内のあちこちで音声や動画像といった情報を処理している。MOSTは、こうした車内におけるマルチメディアネットワークを標準化するためのものだ。また、車内ネットワークを光ケーブルにすることで重量を軽減したり、配線の自由度を高めたりすることも可能になるという。 車好きな人ならば、矢崎総業が車載計測機器やカーエレクトロニクス製品、車内のワイヤーハーネスなど、自動車関連製品の老舗メーカーであることをご存知だろう。つまり、同社がこうした分野の製品を手がけるのは至極当然の流れなのだ。 MOSTはすでにドイツをはじめとする欧州の高級車に採用され始めている。同社の製品も、すでに採用実績があるとのことだ。ちなみに、日本や米国のメーカーがMOST準拠のネットワークを採用するかどうかは、現時点ではわからず、IDB1394が採用される可能性もあるということだ。