ウィルコムは4日、シャープおよびマイクロソフトと共同で、スマートフォン「W-ZERO3」シリーズの新ラインアップとなるW-SIM対応のPDA「W-ZERO3[es(エス)]」(型番:WS007SH)を発表した。 本製品の予約受け付けは7月14日に開始し、発売は7月27日となる予定。価格はオープンで、オンラインショップ「ウィルコムストア」での直販価格は「W-SIM」付きの場合は29,800円(同時に年間契約を申し込んだ場合。しない場合は+4,000円)、「W-SIM」なしの場合は36,800円。カラーバリエーションとして、ホワイトとブラックの2色を用意する。 W-ZERO3[es]は、携帯電話の「手軽さ」とPCの「便利さ」の融合をコンセプトに開発された製品で、片手で扱えることに重点が置かれているのが特徴となっている。W-ZERO3との最大の違いは、閉じた状態でもダイヤルや文字入力ができるように、従来の携帯端末と同様に数字キーが配列された「デュアルキーボード」を採用している点だ。 また、片手で扱うことを便利にするために、今では多くの携帯電話などに採用されている日本語入力システム「ATOK」を採用しており、ダイヤルキー/QWERTYキーのどちらからの入力でも「予測変換」が行えるようになっている。 さらに、片手で扱えるように従来のW-ZERO3よりも1回り小さくなっており、ディスプレイ部には業界初となるタッチパネル対応の2.8型VGAモバイルASV液晶を搭載。一般的な携帯電話の4倍の情報量を表示できるのに加え、日中の町中でも画面が見やすいのが特徴だとしている。 なお、小型化したことや価格などとのトレードオフにより、無線LAN機能は搭載されていないので注意が必要だ。 ウィルコムの八剱洋一郎社長は同製品について、「今までの『音声通話』と『データ通信』の隙間を埋める製品となった」とコメント。また、シャープの松本雅史副社長は、「PDAでもケータイでもない、第3のコミュニケーションツール」だとコメントしている。 また、マイクロソフトからは、通常他社の1製品についてコメントすることのないビルゲイツ氏のビデオコメントが寄せられており、搭載OSである「Windows Mobile」の普及効果として、同製品におけるマイクロソフトの思いというものが強く出る発表会となった。 そのほかのW-ZERO3との違いで大きな点といえば、「USBホスト」機能の追加だ。従来のW-ZERO3では「USBクライアント」のみであったため、外付け機器という発想は無かったが、esでは100mAに制限されるとはいえ外付け機器の接続が可能となった。 これにより、外付けキーボードといった簡単なUSBの利用に加え、デジカメで撮影した画像をesに接続して吸い上げメールに添付するなどといった利用も想定されている。さらに、Bluetoothや無線LANといったネットワーク拡張、モバイルプリンタ、ワンセグチューナー、ディスプレイ出力などがサードパーティー各社によりすでに開発が進められているので、今後の発展が楽しみな製品とも言えるだろう。 ソフト面では、ブラウザにOS標準のInternet Explorer Mobileに加え、Opera Mobile 8.6を標準搭載しており、いずれのブラウザも「Flash」に対応しているのが特徴となっている。また、メールクライアントソフトでも、OS標準の「Outlook」に加え、片手操作でも使いやすいようにシャープが開発した「W-ZERO3メール」を搭載している。 なお、新しいW-ZERO3[es]にいち早く触れられるようにと、プロモーションイベントの開催も準備されている。発売日前に開かれる予定のイベントは以下のとおり。●W-ZERO3[es]タッチ&トライ・日程:7月14日(金)〜17日(月)・場所:東京・新宿高島屋ジェイワン広場 ※そのほか、大手量販店にて開催予定●WIRELESS JAPAN 2006・日程:7月19日(水)〜21日(金)・場所:東京ビッグサイト・東1ホール