多くのデバイスの通信はワイヤレス化しているが、「ラスト・ワン・ライン」である電源ケーブルはいっこうに消える気配がない。せっかくのワイヤレスLAN内蔵のノートブックPCも平均寿命は1日3時間だ。しかし、一部ではワイヤレスによる充電に専門に取り組む企業もある。
たとえば、すでに速報でも紹介したが、MobileWiseの「Wire-free electric power」は、電気パッドと各デバイスにチップを埋め込み、触れ合うと充電が開始する(記事参照)。ほかにもさまざまなアイデアが紹介されていた。
Electorovaya:タブレットPC「Scribbler」
Electrovayaはバッテリ自体の容量を大きくしたことでモビリティを高める。
これまでにも大容量バッテリパッド「PowerPad」を紹介してきた同社は、その技術をタブレットPCに応用し、4時間の充電で8時間から最大16時間使えるタブレットPC「Scribbler」を展示していた(時間はアプリケーションや入力モードによる)。
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最大16時間の使用が可能な「Scribbler」 | 「PowerPad」は平均的なPC用バッテリの3倍から6倍の電力を供給 |
Iowa ThinFilm Technologies:「PowerFilm」
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ブースには、切られていない状態の「PowerFilm」が展示されている |
0.05ミリのフィルムのようなフレキシブルな素材を使うので、薄くて軽いうえ、切ったり曲げたりしてさまざまな製品に応用することができる。衣料に使用して、温熱ジャケットや冷却ジャケットなどというのもいいかもしれない。ただ問題は、広い面積のほうが好都合なので小さい製品には向かないのと、天気予報から離れられなくなることだ。
製品としてはすでに「Soltronix HR-1 Solar Recharged Headphone Radio」を発売している。
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「PowerFilm」を応用した製品 |
Innovative Solutions & Technologies:SideWinder Emergency Cell Pjone Charger
Innovative Solutions & Technologiesは、なんと電源を人力に求めた。
携帯電話に「SideWinder」を取り付けて、取っ手をひたすら回すと充電される。20分回し続けて5分間だけ通話できるというので、サブタイトルどおり“緊急用”にバッグに忍ばせておくものだ。「PCへの応用は?」と聞くと、「考えてはいるけど……」と苦笑い。必死に取っ手をぐるぐる回し続けるビジネスマンの姿を思わず想像してしまった。
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取っ手を回すと発電する「SideWinder」 |
(山本玲)