角川書店と日本電信電話(NTT)は、従来のストリーミングコンテンツにはない新しいエンターテイメント性をもつコンテンツ制作およびブロードバンド配信の実現を目指し、視聴者がインタラクティブに楽しめるブロードバンド専用シネマ(Webシネマ)の配信実験「Vi!Click」を、東京、大阪のBフレッツ/フレッツ・ADSLユーザを対象に3月30日から約2か月にわたって実施すると発表した。 同実験では、映像中に埋め込まれた仕掛けにより、視聴者がクリックすることで、登場人物の心理描写や、隠された映像を表示したり、映像内の小物をつかんだり、といった楽しみ方ができる短編シネマを2本を配信する。映画の製作は角川書店が、インタラクティブ利用技術の開発をNTTサイバーソリューション研究所が、それぞれ担当する。 同実験において、角川書店はコンテンツ制作のノウハウの蓄積とともに、関連グッズ情報を視聴者に提供し、販売するという、映像コンテンツを利用した新しいビジネスモデルの構築のための検証を行う。一方、NTTサイバーソリューション研究所では、インタラクティブ技術の適用性評価およびブロードバンド配信における配信センタ制御管理機能の検証を行う。 配信予定の短編シネマは、以下の2本。命日 原作:小池真理子 出演:山口紗弥加、水川あさみ(第3回ミス東京ウォーカー)、ほか 内容:リアルホラー 配信時間:前編19分/後編21分セコい誘拐 原作:五十嵐均原作 出演:益岡徹、石橋蓮司、ほか 内容:シニカルコメディ 配信時間:32分 インタラクティブ性を利用した映像配信としては、これまでにもアニメーションなどに取り入れた例があるが、今回の両社の実験により、ブロードバンドの特徴を生かした映像配信の1つの形として定着していくものと思われる。