CLベスト4進出を果たしたピッチに、“韓国の至宝”の姿はなかった。
パリ・サンジェルマン(以下、PSG)は4月16日(日本時間)、敵地ヴィラ・パークで行われたUEFAチャンピオンズリーグ準々決勝第2戦でアストン・ヴィラに2-3で敗れた。ただ、ホームでの第1戦を3-1で勝利していたため、2戦合計スコア5-4で準決勝進出を決めた。
念願のCL初優勝を目指すPSGは、昨季も準決勝に進んだもののボルシア・ドルトムント(ドイツ)に敗れ、クラブ史上初の決勝進出は叶わなかった。
2年連続で4強入りを果たした今季は、アーセナル(イングランド)対レアル・マドリード(スペイン)の勝者と準決勝で激突する。
“韓国の至宝”、もはや戦力外?
ただ、PSGが勝利の歓喜に沸くなかで、韓国代表MFイ・ガンイン(24)は苦い表情を浮かべていた。彼はこの日ベンチ入りしていたが、最後まで出場機会は訪れなかった。

2023年夏の加入以降から絶対的なレギュラーではないものの、多くの試合で後半から途中出場し、戦況を変える“ジョーカー”の役割を果たしてきた。
ところが、今季はリーグ戦のみならずCLでも出場時間が急減している。主力争いから押し出されたのはもちろん、もはや戦力外に分類されているのではないかという印象も強い。
実際、イ・ガンインは今回の準々決勝2試合で1分もプレーできなかった。それだけでなく、3月17日のリーグ・アン第26節マルセイユ戦を最後に公式戦5試合連続で出場なしの状況が続いている。
PSGはすでに13回目のリーグ・アン優勝を確定しており、国内カップ戦のクープ・ドゥ・フランスでも決勝まで進出している。タイトル獲得の可能性を残してチームがシーズン最終盤を戦うなか、イ・ガンインはベンチを温めるもどかしい時間を余儀なくされている。
◇イ・ガンイン プロフィール
2001年2月19日生まれ。韓国・仁川広域市出身。身長174cm。大韓民国のサッカー選手で、サッカー大韓民国代表。幼少期に出演したKBSサッカーバラエティ番組『飛べ、シュットリ』で類まれなる才能を発揮し、“神童”として一躍注目を集めた。2011年にスペインに渡りバレンシア下部組織に入団し、2018年10月にトップチームで公式戦デビュー。2021年夏にフリーでマジョルカに加入、2023年夏にフランスのパリ・サンジェルマンに完全移籍。マジョルカ時代の同僚である日本代表MF久保建英(レアル・ソシエダ)とは同じ2001年生まれで、普段から仲が良いことで知られている。