日本で公開された韓国映画として、『パラサイト 半地下の家族』に抜かれるまで長らく歴代興行収入1位だった『私の頭の中の消しゴム』。その男性主人公の母親役を演じた女優がキム・ブソン(63)なのだが、彼女が現在トラブルメーカーとなっている。
キム・ブソンは4月10日、自身のYouTubeチャンネル「キム・ブソンTV」を通じて、最近浮上した歌手キム・フングク(65)との不倫説を強く否定した。
彼女は「昨日、法律相談をしっかり受けてきた」と述べ、「弁護士によれば、相手(不倫説を拡散した悪質ユーザー)が国内居住者であれば追跡が可能だとのこと。資料を準備して、明日中に城東(ソンドン)警察署のサイバー捜査隊に告訴する予定だ」と明かした。
続けて、キム・フングクとの不倫関係をでっち上げた悪質ユーザーに対して強く遺憾を表し、「キム・フングク先輩とは手を握ったことすらない。不倫説をばらまいた犯人は常軌を逸している」と憤った。

キム・ブソンは、今回の告訴は自身の名誉と人格を守るためのやむを得ない選択だったとし、「到底耐えられないレベルの人格攻撃を受けた」と心境を語った。
“大統領に最も近い男”と不倫関係だった?
思いもよらない不倫説が拡散され、キム・ブソンは怒りをあらわにしているが、その姿に疑問を抱く声も少なくない。
というのも、キム・ブソンも真相が定かではない不倫説で大きな議論を作った人物だからだ。
キム・ブソンがかつて自分と不倫関係にあったと明かしたのは、韓国最大野党「共に民主党」のトップで、大統領選挙に出馬するために代表職を退いた李在明(イ・ジェミョン)前代表(61)だ。
李在明前代表は、今最も次期韓国大統領に近い男と見られている。実際に、4月7日から9日に韓国リサーチなどが行った世論調査によると、李在明前代表の支持率は32%でトップだ。2位のキム・ムンス前長官が12%であることを踏まえると、圧倒的な1位といえる。

キム・ブソンが2018年に明らかにしたところによると、彼女と李在明前代表は2007年から約1年間にわたって恋人関係だったという。
しかし李在明前代表側は、この疑惑が浮上してから一貫して否定しており、キム・ブソンを虚言癖と麻薬の常習者という趣旨で非難した。実際、キム・ブソンには1983年から2004年までに計5度の麻薬使用による前科がある。
何よりもキム・ブソンが信頼できる証拠を提示しておらず、また、発言にも一貫性がなく情緒的すぎるため、真相は明らかになっていないが、この不倫説には懐疑的な声が圧倒的に多い。
それでもキム・ブソンは、現在も李在明前代表への批判を続けている。
去る3月27日、李在明前代表が公職選挙法違反事件の控訴審で無罪判決を受けた際も、「李在明には誰よりも被選挙権を剥奪され、政治家として終わってほしかった。それが、私が彼と“ケッタル”(李在明の過激な支持者)にされたことへの復讐だ。人間の感情とはそういうもの。あの人たちは私を殺そうとした」などと話した。
そんなキム・ブソンが、自身とキム・フングクの不倫説には激しく反発しているだけに、冷ややかな目を向ける人も少なくないわけだ。

韓国では最近、尹錫悦(ユン・ソンニョル)大統領が罷免されたことを受け、6月3日に大統領選挙を行うことが決定した。キム・フングクは、尹大統領を大々的に支持してきた人物でもある。
このような緊張した情勢のなかで、キム・ブソンの存在感が高まっているだけに、不要な政治的イシューにならないことを願うばかりだ。
(文=スポーツソウル日本版編集部)
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