今、世界で最も人気のあるK-POPガールズグループといえば、BLACKPINKの名が真っ先に挙がるだろう。
一時はメンバーの独立が相次ぎ、解散説まで浮上したが、7月からは華やかなワールドツアーが予定されており、新たな記録を塗り替えることが期待されている。
そんなBLACKPINKの4人のうち、3人がすでに女優としてのキャリアをスタートさせている。しかしその結果は、いずれも“ほろ苦い”ものとなっている。
上手くいかないBLACKPINKの“女優デビュー”
直近ではリサが、アメリカの人気ドラマ『ホワイト・ロータス』シーズン3で演技に初挑戦した。

撮影を終えたリサは、「このショーに参加できたことは、私にとって初めての演技経験であり、最大の光栄だった。素晴らしい俳優たちと共演できて本当に幸せだったし、私の文化を共有し、タイの美しさを世界に伝えられたことをとても誇りに思う」と語っていた。
しかし4月6日の放送終了後、リサの演技そのものよりも「出演時間の短さ」が物足りなさとして取り上げられた。

英『デイリー・メール』は「ファンたちはリサの出演時間がわずか10分に過ぎなかったことに失望している」と報じた。また、『ガーディアン』は、リサが演じた「ムック」を『ホワイト・ロータス』で“最悪のキャラクターの一人”と評し、「不可解なのは、この役を世界的K-POPスーパースターであるリサが演じていたという点だ。まるでレディー・ガガをキャスティングして、エキストラとして使うようなもの」と皮肉交じりに論じた。
一方、ジェニーの女優デビューも演技内容とは別の部分で物議を醸した。

ジェニーは2023年、HBOドラマ『THE IDOL/ジ・アイドル』で初の演技に挑戦。主人公の友人でバックアップダンサーのダイアン役を務めた。
しかし第1話では、ブラトップにホットパンツという衣装で登場し、男性ダンサーと身体を密着させるダンスシーンが「扇情的すぎる」として批判の的に。さらに第3話でもジェニーは、身体のラインがあらわになった衣装を着用してステージに上がり、男性ダンサーと密着するようなダンスを披露。この時、特定の部位に男性のダンサーが触れるような動作を見せ、ネット上では批判や怒りの声が続出した。

ジェニー自身の演技力が問われたわけではなかったが、否定的な反応が広がるなかで、全6話の予定だった『THE IDOL』は5話に短縮され、7月に早期終了した。また、シーズン2の構想も立ち消えとなった。
リサやジェニーとは異なり、韓国で女優としてのキャリアを積んでいるのがジスだ。

ジスは2015年のドラマ『プロデューサー』や2019年の『アスダル年代記』に特別出演したのち、2021年のドラマ『スノードロップ』で初主演を務め、実質的な女優デビューを果たした。
同作でジスは、はつらつとした女子大学の新入生ウン・ヨンロ役を演じた。共演したチョン・ヘインは「撮影のたびに驚かされた。演技は相手との共同作業だが、彼女はとても配慮してくれた」と称賛していたものの、演技力に対する厳しい声もあった。

視聴率の面でも苦戦を強いられた。第1話は3.0%でスタートし、第2話で3.9%と上昇したものの、これがピークとなり、以降は1%台の回も。最終回(第16話)も3.4%にとどまり、ヒット作とは言いがたい結果に終わった。
それでもジスは、2023年の映画『チョン博士の退魔研究所:説経の秘密』に特別出演し、2025年2月のドラマ『ニュートピア』を経て、7月に韓国公開を控える映画『全知的な読者の視点から』(原題)で本格的なスクリーンデビューにも挑戦する。今後が大いに期待できるわけだ。

「アパート」の歌詞が印象的な『APT.』で大ヒットを記録し、アーティストとして着実に成果を上げているロゼを除けば、“演技”という未知の領域に挑んだBLACKPINKメンバーたち。その最初の一歩はやや苦い結果に終わったかもしれないが、だからこそ今後の成長と飛躍に、いっそうの期待が寄せられている。
(文=スポーツソウル日本版編集部)
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