俳優キム・スヒョンが女優キム・セロンさん遺族とYouTubeチャンネル「カロセロ研究所」などを相手に訴訟を提起したなか、彼が証拠として提出したモバイルメッセージを分析した業者が分析結果を公開した。
最近、陳述分析センターTrubaum側は、「著者同一人物識別」技法を活用したキム・スヒョンに関連するメッセージが一致するかどうかを分析した結果を公開した。
Trubaumは、心理科学の理論と研究結果を活用して陳述の真実性を客観的かつ中立的に分析することで、司法の正義の実現を科学的に助ける専門鑑定サービス機関だ。
彼らの「著者同一人物識別」技法は、一般的な陳述信頼度分析とは異なる方式で、異なる期間の文書が同一人物によって作成されたのかを統計的に検証する言語学を基盤にした技法だ。
Trubaum側は、各メッセージの文章内の品詞の頻度を定量的に測定したうえで、18の言語要素を基準に平均使用頻度を算出し、個人言語パターンを通じてメッセージ作成者の特性を推定した。その結果、2018年から2025年までのメッセージの間には統計的に有意な差がなく、同一人物が作成した可能性が高いという結論が出た。

一方、2016年のメッセージは2018年、2025年のメッセージとそれぞれ比較したとき、いずれも有意な差を見せた。
2016年と2025年のメッセージの間には95%の信頼水準、2016年と2018年のメッセージの間には92%の信頼水準で統計的に同一人物ではない可能性が高いという結果が出た。特に、2016年にメッセージを同一人物が作成した確率は8%に過ぎないという分析も出た。
2016年のメッセージは「カロセロ研究所」側が公開した資料であり、「著者同一人物識別技法」を通じた分析で操作の可能性が提起された。ただし、「著者同一人物識別技法」は海外では学術的に広く活用されているが、まだ韓国では見慣れない分析方式であるだけに、この分析を裁判でどの程度信頼できるかは今後の裁判所の判断にかかっている。
これに先立って、キム・セロンさん遺族は彼女の携帯メール、手紙などによって、キム・セロンさんが15歳であり、キム・スヒョンが27歳だった2015年から2人は交際したと主張した。
これに対し、キム・スヒョン側はキム・セロンさんの成人後に交際したと反論したが、2016年、2018年の「チュッ」「いつ君を抱いて眠れるの」などのメッセージが公開され、再び物議を醸した。
そうして、キム・スヒョンは記者会見を開き、「遺族は自分に小児性愛者、未成年グルーミングというフレームをつけている。しかし、2016年、2018年に故人とカカオトーク(メッセージアプリ)を送り合ったのは自分ではなく別の人だ」と主張した。
続けて、「この事実を証明するため、遺族が提出した2016年、2018年、そして今年自分が知人たちと送り合ったカカオトークを科学的に分析する機関に提出した。その機関は(自分が)2016年と2018年の人物ではないという結論を出した」と反論した。
加えて、「遺族側がカカオトークを操作した。事実でないすべてのことが、すべて事実になるわけではない。自分で検証の手続きを踏んだように、遺族側が証拠として挙げるすべてのことについて、捜査機関を通じて徹底的に検証する手続きを踏む」と付け加えた。

キム・スヒョンの会見後、彼が検証を受けたセンターに対する信頼度と公的な信用に関心が集まった。陳述分析センターTrubaumと、犯罪心理学博士として検察庁専門捜査諮問委員、最高検察庁性暴行関連専門家などとして活動したキム・ミヨン代表が注目された。
しかし、Trubaumは国家機関ではない民間の団体であり、キム・ミヨン代表がドキュメンタリー番組『それが知りたい』の「n番部屋事件」編で主犯チョ・ジュビンのメッセージを分析し、「40代中盤のインテリ」と予測した箇所に再度焦点を当てられた。
こうして、キム・スヒョンのカカオトークのメッセージの分析結果も完全に信頼するのは難しいという雰囲気が続いている。
なお、キム・スヒョンは遺族と「叔母」を自称する不詳の人物、「カロセロ研究所」の運営者を名誉毀損罪で告訴し、また彼らを相手に120億ウォン(約12億円)相当の損害賠償訴訟を提起した。
キム・スヒョンは、「自分がしたことはしたことだ。それに対してはどのような非難も浴びるつもりだ。しかし、しなかったことはしなかったことなのだ。今も自分を信じてくださるすべての方々のために、それだけは明らかにしたい。自分を信じてくれとは言わない。必ず証明する」と最後まで戦う意志を示した。
◇キム・スヒョン プロフィール
1988年2月16日生まれ。2011年に放送されたペ・ヨンジュン企画のドラマ『ドリームハイ』(KBS)で一躍人気を集めた。日本でも大ヒットしたドラマ『星から来たあなた』で演技力が高く評価され、アジア各国で不動の人気を誇る。また、主演を務めた2024年の『涙の女王』が世界的なヒットとなり、韓流スターとしての地位を盤石にした。内向的な性格を心配した母親から演劇を勧められたことをきっかけに、俳優を志すようになった。
■【画像】「キスして」キム・セロンさん遺族、キム・スヒョンと故人のやり取り公開