今年2月に突然この世を去った女優キム・セロンさん。彼女が未成年だった当時に交際していたとされる俳優キム・スヒョンは、その疑惑を否定しているが、関連する請願が国会に提出された。
先立って、国民同意請願のホームページには3月31日、「未成年者に対する擬制強姦の年齢引き上げおよび処罰強化、いわゆる『キム・スヒョン防止法』に関する請願」が掲載された。
擬制強姦とは、たとえ明確な暴力や脅迫がなくても、相手が一定年齢未満である場合には「同意があっても無効」と見なされ、自動的に強姦罪が成立することを指す。
請願者A氏は、「現行の未成年者擬制強姦罪が13歳以上16歳未満の児童のみを保護対象としている点を見直し、保護対象年齢を13歳以上19歳未満に引き上げ、刑罰を強化してほしい」と請願の趣旨を説明した。

A氏はさらに、「最近、韓流スターのキム・スヒョンが成人だった当時、未成年だった子役俳優キム・セロンに対して行ったグルーミング性犯罪が明るみに出て、全国民が憤った。しかし、残念ながら未成年者擬制強姦罪は13歳以上16歳未満の児童しか保護しないため、キム・スヒョンを法的に処罰できないのが現実だ」と主張した。
続けて、「大韓民国の法律は明確に満18歳までを未成年として保護しているにもかかわらず、13歳以上16歳未満の未成年者だけを保護するという擬制強姦罪の年齢制限のために、将来有望な若手女優を幼い頃から誘惑し、欺き、ついには死に追いやった小児性愛者が法の網をすり抜ける事態が起きてしまった」と声を上げた。
A氏は「そのため今後、二度とこのようなことが起こらないよう、再発防止のために『キム・スヒョン防止法』という名称で、以下のように擬制強姦罪の改正を請願する」とし、「現行の対象年齢である13歳以上16歳未満を、13歳以上19歳未満に引き上げること」「現行の未成年者擬制強姦罪の量刑である、わいせつ=罰金刑、強姦=2年以上の懲役を、わいせつ=2年以上の懲役、強姦=5年以上の懲役に強化すること」と主張した。
この請願には、4月9日16時時点で5万4000人以上が同意している。5万人以上の同意を得たため、正式に国会の所管委員会および関係委員会に回付されることが決定した。締切である4月30日より前に、同意数の基準を早々に突破した形だ。
キム・スヒョンは3月31日午後、ソウル麻浦(マポ)区のスタンフォードホテルで緊急記者会見を開き、やつれた表情で報道陣の前に立った。

キム・スヒョン側は、キム・セロンさんの遺族および「叔母」を自称する不詳の人物、そしてYouTubeチャンネル「カロセロ研究所」の運営者を相手取り、情報通信網利用促進および情報保護等に関する法律違反(名誉毀損)で約120億ウォン(約12億円)の損害賠償請求訴訟を提起した。
この場でキム・スヒョンは、用意していた声明を読み上げながら、涙を流し続けた。
会見時間の多くを、「人間キム・スヒョン」と「スターキム・スヒョン」の間で揺れる葛藤について語った。「『涙の女王』が放送されていたとき、主演俳優として守らなければならないものが多すぎた。あの時、数年前に付き合っていた相手との関係を認めたら、何が起きていたか。人間キム・スヒョンとスターキム・スヒョンの選択が食い違うたびに、私は常にスターキム・スヒョンのほうを選んでいたようだ」とし、自分を「臆病者だった」と語った。
とりわけ、最大の争点である「故人の未成年時代の交際疑惑」については強く否定し、遺族側が公開した2016年と2018年のカカオトークのやり取りに関して、会話している相手は別人と強調した。

これらのメッセージを科学的に分析する検証機関「Trubaum」に提出したと明かし、「遺族側が持つ証拠が本当に真実であるなら、すべての資料を捜査機関に提出し、法的手続きを通じて検証を受けてほしい」と訴えた。
キム・スヒョンの主張によれば、キム・セロンとは5年前、ドラマ『涙の女王』が放送される4年前に、1年余り交際して別れたという。
彼は、「私の選択に対する批判はすべて受け入れる。しかし、事実でないことがすべて事実になるわけではない。やっていないことはやっていない。信じてほしいとは言わない。必ず証明する」と涙ながらに語った。
(記事提供=OSEN)
◇キム・スヒョン プロフィール
1988年2月16日生まれ。2011年に放送されたペ・ヨンジュン企画のドラマ『ドリームハイ』(KBS)で一躍人気を集めた。日本でも大ヒットしたドラマ『星から来たあなた』で演技力が高く評価され、アジア各国で不動の人気を誇る。また、主演を務めた2024年の『涙の女王』が世界的なヒットとなり、韓流スターとしての地位を盤石にした。内向的な性格を心配した母親から演劇を勧められたことをきっかけに、俳優を志すようになった。
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