同作は、親が信じる宗教の信仰を強いられ、信仰の名の下に「人生の選択の自由を奪われ」「人権を侵された」と訴える“宗教2世”たちの姿を見つめるシリーズ第二弾。
熱心な信者である母親(田中)に学校での友達づきあいや行事への参加を禁じられ、宗教活動を強いられる家庭で育った姉(河合)と妹(根元)の葛藤を描く、当事者や家族の実体験を基にしたドラマ。
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主人公の木下遥を演じた河合は、「完成(作品)を見た時に、言葉にしがたい感情が生まれました。宗教がある家に生まれたというのは彼女の数あるアイデンティティのうちの一つですし、遥だけでなく家族や同級生や先生やいろんな人に、それぞれの人生があるということを感じてもらいながら、テーマについて考えてもらえる作品として伝わればいいなと思います」と思いを語った。
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役柄を演じた感想については、「境遇として自分と離れているところはあったのですが、私も生まれた時から家族の中に習慣やルールがあるし、それと同じように彼女の家には宗教があって、ご飯を食べる時にお祈りをしたり、礼拝に行ったり。彼女にとっては生活の中にある要素として当たり前になってしまったもの、自分で信じるものを選ぶことができなかったという境遇を、心を尽くして想像しながら丁寧に演じました」と振り返った。
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遥の妹・祈を演じた根本は、「台本を読ませていただいた時に、この作品のテーマや役の重さや大きさにプレッシャーを抱えながら撮影に臨みました。祈として作品の中の役割を果たすことができていたらいいなと思っています」と笑顔で話した。
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2人の母親・愛子を演じた田中は「愛子が宗教に入って2人の運命が決まってきて、親が与える影響というものをすごく感じました。彼女は宗教に入っている人という事ではなくて、まず第一に母親ですし、女性ですし、妻ですし、本当に身近な存在として彼女を見てもらえるんじゃないかなと思いました」とコメント。
「午後10時にお茶の間で見られる作品なので、これをきっかけに家族で話したり、SNSで感想を言い合ったり、今までは一人で悶々と思っていたことを、このドラマがきっかけになって話せるようになったとか、何か少しでも誰かのためになればいいなという思いです」と思いを言葉にした。
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NHKスペシャル“シリーズ宗教2世”第1回「長期密着ドキュメンタリー」編は10月29日 午後9時~9時50分、第2回「ドラマ編」は11月3日 午後10時~11時30分放送。