そこで、今回の記事では、先週末に配信された11・12話をざっくりと振り返った後、彼らについて紹介したいと思う。(以下、ネタバレあり)
鉄球事件の犯人が明らかに!? そして新たな問題も勃発
ヘイ(ノ・ユンソ)が、ヘンソン(チョン・ドヨン)は未婚の叔母であることを公言したことで、ヘンソン(チャン・ギョンホ)とチヨルは晴れて両思いに。交際は順風満帆に始まるが、チヨルがヘンソンの意見ばかり重視するようになったことで、チ室長(シン・ジェハ)は面白くない。2人のチャット履歴を削除したり、船上でわざと舵を切ってヘンソンを怪我させたりするなど、ヘンソンを陥れる行動を重ねていく。
一方、ソンジェ(イ・チェミン)の兄ヒジェ(キム・テジョン)が鉄球事件の容疑者として緊急逮捕される。ヒジェが犯人だと思い込む母ソジン(チョン・ヨンナム)は、息子を守るため自ら弁護人となり、取り調べを妨害。さらに、一連の出来事で心ここにあらずのソンジェのため、中間試験の答案用紙を不正入手。12話ラスト、ヒジェは目撃者でおそらく真犯人はチ室長だということ、ソンジェとヘイが図らずも過ちを犯してしまったことが描かれる。次回、あらゆる問題が一気に解決へと向かいそうだ。
みずみずしい魅力に溢れる高校生役のキャストたち
ヘンソンとチヨルの関係が落ち着き、次に気になる恋模様は、ヘイを巡るソンジェとゴヌ。階段から落ちそうだったヘイのことを、足で背中を支えて助けるという鮮烈な登場を飾ったゴヌの存在が、ドラマをより面白くしている。ヘイへの好意や恋敵への嫉妬心を隠しきれないソンジェの可愛らしさを引き出し、そんなソンジェとのブロマンスまで魅せてくれた。2人に好意を寄せられるのも納得の魅力に満ち溢れるヘイ、三角関係の気まずさを吹き飛ばすムードメーカーのダンジも含め、改めて、彼ら若手俳優たちについて調べてみた。
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ヘイ役のノ・ユンソは、梨花女子大学で美術を専攻している23歳の現役大学生、俳優・モデル。インスタグラマーとして徐々に知名度を上げ、2018年より「アリュールコリア」などの化粧品広告モデルとして活動を開始した。2022年、ドラマ『私たちのブルース』パン・ヨンジュ役で俳優デビュー。ベテラン俳優陣が一堂に介す中で唯一の新人だったが、将来有望な高校生が妊娠したことで抱く葛藤を上手く表現し、その演技力が評判に。同役で「APANスターアワード」新人女性俳優賞にノミネート、「釜山国際映画祭」ライジングスター賞を受賞した。同年公開の映画『20世紀のキミ』でも、主人公の親友ヨンドゥ役を好演。
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『イルタ・スキャンダル』9・10話では、保身と勇気の間で揺れ動く様を繊細に演じており、主役と言っても良いほどだった。その透明感溢れるルックスもあるからか、清楚な雰囲気の役柄が続いているが、ジコ「フリーク(괴짜)」のMVでは世紀末を牛耳る悪人の顔も披露。今後、ますます活躍の幅を広げていくことだろう。(ちなみに、『イルタ・スキャンダル』のカラオケシーンでもジコの曲を歌っている)
ソンジェ役のイ・チェミンは、演技科で有名な三つの大学(韓国芸術総合学校、東国大、成均館大)に合格後、韓国芸術総合学校演技科へ進学した、22歳の現役大学生だ。189cmという高身長に麗しいルックス、誰もが認める演技力に加え、ピアノにバスケットボール、水泳も得意と、マルチな才能の持ち主でもある。2021年、ドラマ『ハイスクール』でデビュー。2022年、バドミントン実業団チームで繰り広げられるスポーツロマンスドラマ『時速493キロの恋』イ・ジホ役で脚光を浴びた。同年9月には、人気音楽番組「ミュージックバンク」の司会にも抜擢。パク・ソジュンやパク・ボゴムなど人気俳優が歴代MCに名を連ね、トップスターの登竜門と言われるポジションを得たことで、現在、注目度が上がっている。
『イルタ・スキャンダル』のソンジェは、気の弱い役どころ。親友のポジション喪失を恐れてヘイに告白できないどころか、兄の件で心を痛めヘイの肩に頭を載せて泣き、さらには図らずもヘイを不正トラブルに巻き込む始末で、まぁ少し情けない奴なのだが、それもすべて愛おしく思わされるのは、チェミンの俳優としての力量が大きいだろう。
ゴヌ役のイ・ミンジェも、中央大学公演映像創作学部演劇を専攻している23歳の現役大学生。実は今回フォーカスした4名の中で最もキャリアを積んでいる。2016年より活動を開始したミンジェは、映画『生き残った子供』(2018年公開作)でデビュー。『キャリアを引く女~キャリーバッグいっぱいの恋』『推理の女王』『復讐のカルテット』『あなたが眠っている間に』『私の恋したテリウス』で端役をこなしていき、2018年以降は、徐々に名のある役を演じるように。
『模範タクシー』や『ゴールデンスプーン』などでいじめっ子役を演じることが多かった分、『イルタ・スキャンダル』ではその印象を上手いこと活用。ぶっきらぼうで一見怖そうだが、実はちゃめっ気のあるいい奴を演じ、毎週株を上げている。11・12話ではヘイに公開告白し、自分をアピールするためにアイススケートへと連れ出す。正々堂々と勝負を仕掛けつつ、ヘイの自覚なしのソンジェへの気持ちや、ライバルであり友人であるソンジェを気遣う姿は、人間としてあまりにもかっこよい。今年はドラマ『ああ!ヨンシム』に主演メンバーの一人として出演予定。今後は、イ・キチャン「ONE ROOM」MVでのように、切ない大人なラブストーリーにおける彼の姿も見てみたいところだ。
ダンジ役のリュ・ダインは、2020年にドラマ『18アゲイン』でデビューし、今回が2作目という22歳。『イルタ・スキャンダル』では、ファン・ボラ演じるイ・ミオクとの“親子感”を上手く築き上げることができていると思う。愉快でさっぱりとした性格で、のけ者にされた際には怒ることもあるが、親友ヘイが落ち込んでいると分かれば自ら歩み寄り、明るく仲直り。ミオクも、ヘンソンに対する勘違いに気づくと、ボスママの顔色を気にすることをやめ、過ちを認めて互いにプレッシャーにならない雰囲気で謝り、再び惣菜店を訪れるようになる。ミオクの根っこにある良い部分が、ダンジにも受け継がれているのだなと思わせられた。
2作目にして大抜擢であり、今後の活躍にも期待せずにいられないダインだが、インスタグラム開設が2020年夏で、それ以前、今後の活動については公にしていない。プロフィールに「No Plan」(無計画)とあるので、それをモットーに、来るもの拒まず去るもの追わずというスタンスで活動をしているのかもしれない。174cmとすらりと背が高く、垂れ目がちな一重まぶたが印象的。個人的には、ファッションの世界での活躍も見てみたい。
Netflixシリーズ「イルタ・スキャンダル ~恋は特訓コースで~」独占配信中
https://www.netflix.com
■筆者プロフィール
山根由佳
執筆・編集・校正・写真家のマネージャーなど何足もの草鞋を履くフリーライター。洋画・海外ドラマ・韓国ドラマの熱狂的ウォッチャー。観たい作品数に対して時間が圧倒的に足りないことが悩み。ホラー、コメディ、サスペンス、ヒューマンドラマが好き。