

「山政小山園」は、江戸初期より自園を持ち、茶の栽培から引き揚げまで一貫した抹茶の製造を行う、創業160年の製茶問屋。茶道各流派の家元に18の茶銘(家元ごとにブレンドする銘柄)を提供するほか、全国1000を超える茶小売店や百貨店、ホテルや老舗料亭などに上級茶の製造卸を行っている。

そんな「山政小山園」が、世界で抹茶ブームが広がる今だからこそ、「日本で生まれた抹茶本来の美味しさと文化を楽しめる体験を提供したい」という思いのもと、オープンに至ったという同店。老舗の本格抹茶を使用したスイーツやドリンクの味わいに期待して、プレス試食会に参加した。

店舗のコンセプトを「Matchaのサードウェーブ」とし、抹茶を知り尽くした同社だからこそできる、本格的な抹茶をリーズナブルな価格で提供。誰もがカジュアルに楽しめるカフェ作りを目指したという。

提供されるメニューは、プレミアム抹茶の美味しさをストレートで味わう「MATCHAドリンク」シリーズの「MATCHAショット(エスプレッソスタイル)」(税込 220円)や、冷たいミルクと抹茶を混ぜ合わせた「MATCHAラテ」(税込 495円)のほか、昔なつかしいミルクセーキに抹茶を加え、グラスを覆うほどの綿あめを乗せた「抹茶コットンキャンディーミルクセーキ」(税込 748円)、わらび餅と牛乳&抹茶のハーモニーが楽しめる「抹茶わらび餅しるこ」(税込 748円)などの「ごちそうMATCHAドリンク」シリーズを展開。


このほか、日本国内で毎年開かれる茶品評会に出品された、全国生産量のわずか3%しか獲れない抹茶の原料葉を使用したスイーツを、トシヨロイズカ氏やヒルトン東京の播田シェフなどのトップシェフと共に作り上げるコラボスイーツも提供していくという。

試食会に登場したウェルカムドリンクは、こちらの「MATCHAショット(エスプレッソスタイル)」(税込 220円)。ショットグラスに砂糖がついたシュガータイプとノーマルタイプが選べ、本格抹茶をエスプレッソ的に楽しむことができる。抹茶本来の旨味と香りが満喫でき、「上質な抹茶は、本当に美味しいんだなあ」と改めて感じるおいしさだった。

続いて登場したのが、抹茶を甘いシロップが入った水で割った「MATCHA グリーンティー」(税込 330円)と、冷たいミルクで割った「MATCHA ラテ」(税込 495円)。


「MATCHA グリーンティー」を飲んでみたが、ほんのり上品な甘さで苦みが少なく、暑い中、ひんやりとした水出し抹茶のストレートなおいしさが堪能できた。こちらは、抹茶の苦みが苦手という人でも飲みやすい一品だ。

続いて、「抹茶ゼリーサイダー」(税込 660円)。こちらは抹茶ゼリーがグラスの底に入っており、ゼリーの食感とレモンの風味、炭酸の爽やかな刺激の一体感が楽しめる、夏にぴったりな一品。サイダーやレモンと抹茶を合わせるというのは意外だったが、爽やかなレモンサイダーを飲んだ後に、甘みのある抹茶ゼリーを食べても不思議と違和感がなく、一杯でさまざまな味や食感の変化を楽しめた。


「MATCHA わらび餅しるこ」(税込 748円)は、わらび餅と牛乳、抹茶のハーモニーをホイップクリームとあんこが引き立てる、モダンなおしるこ。おしるこって美味しいのに、最近では食べられるお店が減っている! ということも開発のきっかけとなり、「おしるこをもっと食べてほしい」という思いのもと、作られたメニューだという。


こちらは、あんこ×抹茶の組み合わせを、とことん楽しんでもらうために、あんこを作って60年以上という東京・大田区の望月製餡所のあんこと、わらび餅を使用。わらび餅・練乳の氷・小豆・抹茶の4層の上に、ホイップクリームとあんこが乗っており、練乳の氷と抹茶の相性がよく、抜群においしい。もちもちとした大きめのわらび餅や、食感にこだわったという2種類のあんこもよく合っておいしかった。

最後は、一流パティシエ・トシヨロイズカ氏とコラボした「至高のMATCHAテリーヌ」(税込 660円)。抹茶の濃厚な旨味と香りをダイレクトに感じられる、しっとりなめらかなテリーヌで、一般的なカフェではお見受けできない抹茶パウダーが振られたおしゃれなスイーツに仕上がっている。さらに、貴重な抹茶に合わせて、ヨロイズカ氏が大好きという、こだわりの栗も使用。栗はモンブランのクリームのようなペースト状になっており、口の中で濃厚な抹茶と合わさって、まさに至高のスイーツだった。

同店で試食した感想としては、MATCHAドリンクが税込220円~と、本格志向ながら非常にリーズナブルに感じた。思えば、コーヒーは当たり前のように毎日飲んでいるが、本格的な抹茶を口にする機会は少ないように思う。茶道に精通していない自分のような身でも、本格抹茶がコーヒー的な立ち位置で、カジュアルにカフェ展開されるのは嬉しい限りだ。