テレワークも続くとリフレッシュしたい
テレワークやオンライン会議など、当初は関連商品の市場も注目され、人々のモチベーションも高かった。しかし、多くの人がほどなく直面する問題は、自宅というのは思ったほど仕事をするのに最適な環境ではない、という事実だ。子どもやペットの声や乱入は、最初はほほえましいテレワークあるあるで済ませられるが、2回目、3回目となると微妙だ。
仕事をしているとはえ、1日中お父さんが家にいて喜ぶ奥さんは多くない(悲しいかなこれが現実)。掃除のじゃまだったり、これまで気楽に済ませていた昼食に旦那の分を考えなければならない手間も増える。エアコンやPCなどの電気代、通信費がかさむといった現実的な問題もある。
しかたなくファミレスやスタバで作業をしたり、貸し会議室や最近増えているテレワークスペースを利用したりするわけだが、ホテルのテレワークサービスを利用するという方法もある。
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星野リゾートがJR大塚駅前で運営している都市観光ホテル「OMO5東京大塚」(東京都 豊島区)というホテルは「OMOで楽らく、おこもりテレワークプラン」という宿泊プランを提供している。ビジネスホテルなどのテレワークプランとの違いは、施設と周辺エリアの特徴を生かしたワーケーションの要素を採り入れている点だ。どんなプランなのか体験取材した。
リゾートでもビジホでもない作業環境
OMO5東京大塚の開業はコロナパンデミック前だ。東京観光に来る都市観光客をメインとしている。利用客は都外からの日本人が6~7割、外国人観光客が3~4割ずつだったという。コロナによるステイホームや越境旅行の自粛で、観光目的利用客が減ったものの都心に近いこともありワーケーション利用が逆に増えてきたので、2021年1月からこのプランを始めたという。
プランは素泊まりが基本で、1泊5500円(一人)で3泊4日から利用でき、最大7泊まで利用できる。(※3~4連泊の場合:1名1室利用時5,500円/泊、5~7連泊の場合:1名1室利用時4,500円/泊)東京観光のホテルとしてスタートしたため、OMO5東京大塚のテレワークプランはオンとオフの中間的な滞在、あるいはその切り替えができるという特徴がある。滞在型リゾートのテレワーク利用やビジネスホテルの利用とも違うので、自分のペースで仕事やオフを調整しやすい。
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各部屋は天井が高く、ロフト構造になっている。リビング的な下のスペースは畳になっている。大きめなマットとクッションがあり、どちらでもくつろげる。寝室部分はマットレスとふとんが2セット用意されており寝室として利用する。プランにはベッド等で使えるノートPCスタンド、テレビ会議用のフェイスライト、電源の延長コードが含まれる。PCスタンドは、リビングのマットで足を延ばして仕事をするために使う。その他、ホテル内カフェで淹れているコーヒーのポットサービスもある。
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壁に据え付けられたテレビは、HDMIの端子が使えるようになっている。ケーブルを持っていけば、オンライン会議や作業用にマルチスクリーン環境が実現できる。オフのときは、PCにつないでネットフリックスやアマゾンプライムビデオを視聴できる。
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テレワークや動画視聴で気になるのは通信環境だ。リゾートホテルやワーケーション施設の場合、場所の問題で4G/5G、固定回線の条件があまり期待できないことがある。OMO5東京大塚は都内ということもあり、施設内のWi-Fiは悪くない。平日金曜日の夕方と夜、それぞれ速度計測を行ったが、上り下りともに100Mbps前後が安定してでていた。滞在中、実際に仕事も行ったが、ネットが遅いと感じることはなかった。
滞在型テレワークでは食事の選択肢もポイント
OMO5東京大塚のチェックインは15時から、チェックアウトは11時だ。「おこもりテレワーク」なので1日中部屋にいてもよいが、レセプションがあるロビースペースのカウンターやテーブルの利用ももちろん自由。JR山手線大塚駅は、山手線の中で唯一マクドナルドがない駅だそうだが、ホテルが入るビルの1Fにはしゃれたカフェダイニングがある。昼間はここで作業してもよい。もちろんコンビニやカフェ、喫茶店がないわけではないので滞在期間にあわせていろいろな店で作業するのもよい。4階のホテル内カフェでも、コンセントやwi-fi環境があり、このプラン宿泊者はカフェメニューの注文をしなくても自由に作業ができる。
ホテルなどでの外作業で、以外と面倒なのが食事である。プランには食事は含まれないが、その分、選択肢が多い。周辺はコンビニ、飲食店が多い。地元グルメも豊富だ。頼めば通常プランの朝食サービス(有料)を受けられるし、夕食は「Go-KINJO出前レンジャー」というサービスが利用できる。大塚駅周辺の人気グルメ店から、予算(2000円から5000円コースがある)と当日の各店メニューによって「出前レンジャー」が3~4店舗の食事を見繕って届けてくれる。(※デリバリー代として別途1000円かかります。)
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人気店は並ばないと利用できなかったり売り切れていたりする。作業中、夕飯のメニューを考えるのは意外と面倒だったりもする。山手線の駅なので周辺の飲食店に困ることはないが、出歩いて探したりするのも、店が混んでいたり遠かったりでおもったより時間が取られたりもする。旅行ならばそれもまた楽しみのひとつだが、仕事での滞在となると結局毎日コンビニとなりがちだ。
出前レンジャーはかなり便利だが、一人での利用の場合分量が多くなるので要注意だ。今回、試しに3000円コースでお願いしたが、おにぎり(有名なおにぎり店のもの)2個、老舗とんかつ店の盛り合わせ、常連さんに人気のやきとりセット、クラフトビールで有名な店のおつまみ餃子(宇都宮餃子)を選んでくれた。
若い人ならたぶんクリアできる量だと思うが、自分は1回では食べきれず、深夜の夜食として2回に分けて食べた。どれも人気店のメニューなので残して捨てるのはもったいなさすぎる。部屋には冷蔵庫もあるし、共用の電子レンジもある(5階にコインランドリー、自販機、アイスマシン、電子レンジが設置されている)。一人2000円、3000円としても、2回分の食事と思えば法外というほどでもない(量やメニューコースについては、フロントスタッフがご案内するので心配な方は相談してみるといい。)
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昼と夜でメリハリをつけた滞在がオススメ
お風呂についても触れておく。日本人にとって仕事のあとの風呂はその日の疲れをリセットし、翌日に備えるために欠かせない。部屋の風呂はユニットバスではなく、トイレ、洗面台と独立した洗い場のある風呂場になっている。バスタブも深さと長さが、一般的なビジネスホテルのユニットバスよりゆったりできる。なお、ホテルから徒歩10分かからないところに「大塚記念湯」という有名な銭湯がある。取材日はあいにく定休日だったが、滞在中は銭湯利用も悪くない。
「ご近所ガイド OMOレンジャー」というガイドツアーにも参加させてもらった。テレワークとは関係ないが、地元のガイドがホテル周辺のお店やスポットを約1時間かけて案内してくれる。下町やオフィス街とも違った東京の生活文化やグルメに触れることができる。4日、5日と滞在するなら、周辺の土地勘を身につけるために参加しておくとよいだろう。
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自宅以外でテレワークをする場合、自宅から近すぎず遠すぎずという要素は重要だ。近ければつい家に戻ってしまうし、自宅の生活サイクルにある程度合わせざるを得ない。本格的な企業合宿やワーケーションでない限り、遠方も移動時間、交通費の問題が無視できないし、あまり郊外だとそもそも仕事をするのも不便だ。
OMO5東京大塚のようなホテルは、自宅から適度な距離感があり東京の便利さもほぼ損なわれない。それでいて、オフィス街ほど仕事に特化せず生活感があり落ち着きも得られる。ホテルからならオンライン会議も気兼ねなくできる。オフィスとリラックスするスペースをうまく共存できるのも魅力だ。なんなら、大塚のOMOを拠点とし、必要なときにそこから会社に出勤してもよい。
在宅勤務やテレワークでは、オンとオフ、昼と夜のメリハリを付けた働き方、過ごし方が重要だ。
【OMOで楽らく、おこもりテレワークプラン概要】
■期間:2021年1月21日~9月5日
■定員:1~2名
■プランに含まれるもの:
・宿泊
・快適テレワークグッズ(PCデスク、テレビ会議用ライト、延長コード)※1室1セット
・1日1回コーヒーの1ポットサービス(7:00~22:00)
■料金
【3~4連泊】OMOで楽らく、おこもりテレワークプラン
1名1室利用時:5,500円/泊
2名1室利用時:8,000円/泊(1人当たり4,000円)
【5~7連泊】OMOで楽らく、おこもりテレワークプラン
1名1室利用時:4,500円/泊
2名1室利用時:7,000円/泊(1人当たり3,500円)
※税・サービス料込