
髙田郁の同名時代小説を実写化した本作。享和二年の大坂(現在の大阪府)、大洪水で生き別れとなってしまった幼なじみの澪(松本)と野江(奈緒)が、別々の人生を歩む中でも、強い絆で引き寄せられるまでを描いた物語で、映画界の巨匠・角川春樹が“生涯最後の監督作”として選んだ作品としても話題となっている。イベントには松本のほか、奈緒、若村麻由美、窪塚洋介、小関裕太、藤井隆 、石坂浩二、中村獅童、角川監督が登壇した。

劇中で“さがり眉毛”が印象的な澪を演じた松本は、自身はさがり眉ではないため「台本に書いてあるたび不安になって、おうちにある鏡の前で練習していました」と回顧。澪に近づけようと表情を意識していたことを明かしつつ、メイク担当から「松本さんはそんなに心配することないですよ。お芝居に集中してください」と優しく声をかけられたという。
ここでMCから練習の成果が出たか、との質問が。松本が「どうなんでしょう?」と困っていると、隣にいた奈緒が笑顔でグーサインを出して称賛。「合格をいただきました」と照れた表情を見せた。

そんな奈緒が演じたのは、吉原の遊郭に買い受けられた幻の花魁の顔を持つ女性という役どころ。「自分にできるものなのか、焦りとかプレッシャーはありました」と吐露。いざセットの部屋に入ると「すごく寂しい気持ちになりました。こんなにきれいな景色と、きれいなお部屋に“一人で”いる女性はどれだけ孤独なんだろうと。光が強く当たる方だからこそ、その分影があると感じました」と述べた。
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最後に松本は「撮影を通して、澪の仕事に対するまっすぐな姿勢にすごく感銘を受け、燃え尽きたいと思いながら演じさせていただきました。観ていただけるいろんな方に(様々なことを)感じてもらえるんじゃないかなって思っております」とコメント。一方、角川監督は「自分の関わった作品で最も愛着があって、現場を離れるのが寂しい」と挨拶していた。映画『みをつくし料理帖』は全国ロードショー中だ。