ショート1位で迎えたフリー。紀平は大技である4回転サルコウにチャレンジすると宣言。朝の練習でも着氷させていた。だが最終滑走で臨んだ彼女は4回転サルコウには挑まずトリプルサルコウから入った。ここから完成度の高い演技を見せ、トリプルアクセルとトリプルトウループのコンビネーションも成功。またトリプルアクセルも50cm近い高さで決めた。しかもそのセカンドジャンプにトリプルトウループをつけるという難度の高い技に挑戦。一つ丁寧に、鮮やかに演じきった。結果は155,22点を獲得。合計229,20点で全日本初優勝が決まった。
試合後のインタビューでは「(試合前は)全然眠れず不安だったが、あの演技が出来て自信となった」と笑顔。さらに「4回転をしないということは直前で決めた」とし、「その代わりにトリプルアクセルにトリプルトウループをつけたいという気持ちが強かった」と吐露。「強気で難しい構成をこなせて嬉しい」と顔をほころばせた。
紀平はこれで「世界選手権」に内定。これに対する抱負を聞かれると「ショートでミスがあった」としながら、今回以上の演技とともに、「4回転(サルコウ)を絶対に決められるようにしたい」と誓っていた。