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しかし、はっきり言って違いがよくわからない。機能やコースの豊富さ、あるいは宇宙遊泳しているよう感覚をウリにしたり……。今回はマッサージ機器にもAIが搭載されるというので、同社の会見に行ってみた。
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紹介された製品は「サイバーリラックス マッサージチェア AS-2000」。主な特徴を挙げると、就寝前に効果的なストレッチとマッサージがしたいという声を反映して加えた「ナイトヒーリング」をはじめとした35種類のコース(自動コース23種類、部位集中技12種類)、背筋ラインと肩の高さを自動検知して5D-AIに情報を反映する「AIダブルセンシング」などだ。この「5D-AI」の5Dは、左右(もみ/たたき)、上下(昇降)、前後(強弱)、時間(緩急)、圧(最適化)を指し、利用者の負荷や部位状態などから得られる情報にあわせてリアルタイムに力加減、動作の緩急、圧力を調整する。各部位にあわせた45タイプ86種類のもみ技を搭載しているが、AIが自動調整しながらコリのポイントをこねるような揉捏マッサージを行う6種類のもみ技が追加されている。なお、上半身と足裏を温めるヒーターを内蔵しているのも特徴だ。
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同社の言うAIというのは、センシングのコアエンジンを通して判断されたユーザー情報とそれを5Dに反映する部分を言っているようだ。しかし、AIといえばディープラーニングから何らかの学習を行い、結果を導き出すことをイメージしてしまう。この点について筆者はマッサージ機企画担当ユニット長の大出健太郎氏に聞いてみたが、将来的にはそうした学習AIの機能を搭載することも考えられるという。が、人の座り方ひとつをとっても情報は異なってくるため、まだまだ機器側の対応にはハードルは高そうだ。
マッサージ“機”はマッサージ“師”に近づこうと進化を遂げてきた。しかし、まだまだ変わっていくだろう。マッサージ器に座った瞬間に、AIがその人のコンディションを含めた状態を判断し、オススメのコースを提示してくれる。正確に判断しないまでも、「今日、いつもより長時間運転されましたが、〇〇は凝ってないですか?」「強さは大丈夫ですか?」「目は疲れていませんか?」など問いかけてくれ、それに答えていくことで、より最適なマッサージが得られる。それが実現するのは、そう遠い話ではないような気もする。毎日使うことで蓄積されたマッサージデータが、スーパー銭湯や旅行先のホテルのマッサージチェアのAIに共有されるようになれば、より満足度は高くなっていくだろう。