そんな中、イオンがワインの通販サイト「AEON de WINE」に、チャットボットを活用した「WEB ソムリエ」を導入したと発表。WEB ソムリエがユーザーの好みに合わせて、約4,000品目からワインを提案します。
味わい・生産国・予算などをヒアリング。ユーザーと対話を重ねワインを絞り込む
WEB ソムリエはAEON de WINEのサイトで試すことができます。さっそく試してみましょう。
はじめにユーザーはどのようなワインが飲みたいのかを入力します。今回は、例としても提示されている「ステーキに合う赤ワイン」と入力してみました。
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自然言語処理で入力したメッセージを読み取り、足りない情報(産地、風味、価格帯など)をユーザーがチャット上で選択肢を選ぶ形式で対話を重ねていきます。
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ユーザーが選択肢の中から自分の希望に沿ったものを選び、ワインの候補を絞っていきます。
最後に条件に合うワインをチャット内に表示。同時にワインの購入ページのリンクも表示されるので、ユーザーは結果からすぐにワインを購入できるようになっています。
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曖昧な質問にも回答可能で、
インスタ映えするワイン
初心者におすすめのワイン
といった情報からも条件に合うワインを絞り込むことができます。
しかし、対応していない用語もいくつか存在します。例えば、「アヒージョに合うワイン」と入力すると、別の言葉に変更するように言われてしまいます。
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ワインは種類が多く、商品名からイメージが湧きづらいもの。チャットで具体的な商品を提案してもらえるのは、ワインに詳しくない人にとっても非常にありがたいサービスです。
事例が増えつつあるチャットボット、今後はどうなる?
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イオンでは、ネットでワインを注文する人の60%は18時以降に注文しているというデータがあるにも関わらず、ワインの問い合わせに対応する電話窓口は、平日の10時~18時の時間帯しか開いていないそう。
webでの問い合わせは24時間対応しているものの、返信は即時対応ではなく、最大で2日かかるというデメリットが。そのため、18時以降のお客様のお問い合わせに対応できるような仕組みを作ることが早急に求められていました。
そこでイオンは、ユーザーの問い合わせに対して人手での対応をせずに、チャットボットで代替する選択を取りました。注目すべきは、24時間365日即時対応な点、4,000品目という非常に多い品数の中からワインを提案できる点にあると思います。
チャットボットの精度や信頼性が向上すれば、企業は人員を大幅に減らすことが期待できます。ユーザーにとっても年中無休で手軽にサポートが得られるようになり、両者に対して大きなメリットをもたらします。
すべての問い合わせをチャットボットが対応するのはまだ難しいかもしれませんが、補助的なものとしては実用性のあるもの。チャットボットの導入事例は増えていますが、イオンという知名度のある企業が導入したことによる影響力は大きく感じられます。今後の動向にも注目です。