こうした事故の再発防止に対する取り組みが進むことを祈るばかりだが、改めて火災の恐ろしさを思い知らされた。特に周囲に燃えやすいものがある場合の火の手の早さは、一般の人がイメージしているよりもずっと早く、あっという間に逃げ道をふさいでしまうのだ。
そうしたなかで、イベントや被害時の避難所などでの火災対策に目を配った展示物が東京ビッグサイトで開催された「新価値創造展2016」のフジダンのブースで出展されていたので紹介していこう。
その製品は、避難所などでプライバシーを確保するための間仕切りや、展示会などでイベントでのブース設営用の間仕切りに使うことを想定した「防炎強化段ボール」及び「防炎白パネル」。
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例えば災害用間仕切りとして同製品を使う場合なら、多くの人が密集して生活する避難所において、プライバシーの確保をしつつ、万が一、火事などが起きた場合にも逃げ遅れを防ぐことができる。ちなみに普通の段ボールやベニアなどで間仕切りを作った場合には、燃えやすく瞬く間に火の手が回ってしまうおそれがあるので、二次災害を防ぐ観点からも有効な素材だといえる。
続いて展示会やイベントなどで間仕切りとして使う場合の強みは、段ボールならではの設営のしやすさ。一般的な間仕切りに使われる合板と比べた場合、軽くて、安価で、設営しやすいため、結果的に展示会の出展に際したコストを抑制できる。また、段ボールでありながら燃えにくいので、多くの人が集まる展示会やイベントでも安心だ。
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ちなみに防炎素材ではあるものの、ゴミとして同製品を捨てる時には、「産廃」扱いではなく「燃えるゴミ」として出すことができる点も魅力となる。なお、「防炎」というのは、「不燃」という意味ではなく「燃えにくい」という意味とのこと。