CATV局などが地域の気象状況や交通状況を伝えるために設置している、いわゆる「情報カメラ」。お天気カメラやライブカメラなどと、呼び方はさまざまだが、災害時などには地域住民の目の代わりになる重要な設備だ。 CATV局が直接導入して設置するケースから、地方自治体が災害監視を目的に設置するケース、CATV局と地方自治体が共同で設置するケースまで、設置の経緯はさまざまだが、全国の多くのCATV局で、情報カメラで取得した映像は配信されている。 そうしたなか、ソニービジネスソリューションは、7月29日まで東京国際フォーラムで開催されていたCATV業界向けの展示会「ケーブル技術ショー2016」にて、4Kネットワークカメラや超低照度環境下でのカラー撮影ができるネットワークカメラの“情報カメラ”活用を提案する展示を行った。 ひと昔前までは、監視カメラといえば、防犯やセキュリティ用というイメージが強かったが、近年では監視カメラ自体がアナログカメラからネットワークカメラに切り替わるなかで、高画質化、高性能化が進み、防災からマーケティング活用までさまざまなシーンで使われるようになっている。そうした防犯用途以外での利用例の1つが情報カメラとしての利用だ。 例えば沿岸部の都市であれば、港や海岸に情報カメラを設置しておくことで、大地震後の海面の変化などを把握することができる。他にも山間部の主要道路に情報カメラを設置することで、土砂崩れや道路の崩落が把握できたり、河川近くに設置すればゲリラ豪雨や台風による河川の増水・はん濫を視覚的に把握することが可能だ。 今回の展示で目玉的に扱われていたのは、8月中の発売が予定されている4K対応で超低照度環境下でのカラー撮影が可能な「SNC-VB770」。最低被写体照度0.004ルクスと、新月かつ星明かり程度の環境下でもしっかりと描写することができるので、周辺に街灯などの照明がない沿岸部でも、海面の変動などもしっかりと把握できるという。 導入障壁となるのは、レンズ別売りで「SNC-VB770」単体の市場推定価格が850,000円前後という価格。その辺を、同社ブースで尋ねたところ、「情報カメラとしてだけでなく、災害監視カメラとしても提案することで、CATV局だけでなく、地方自治体なども導入先と想定していくことで、ニーズを探っていきたい」と語っていた。