今年もすでに日本のいたるところでゲリラ豪雨などで、街中が水浸しになる事例が相次いでいる。この傾向は21世紀にはいってからは、毎年のように記録を更新する地域が増えており、ひどい場合は河川の氾濫を招いている。 こうした状況に備えて、これまでなら土のうを用意するケースが大半だったが、緊急時に土のうに土をつめていくのはなかなかの重労働だ。また、土のうはあくまでも一時的な対応策でしかないので、昨今、根本的な浸水対策が求められてきた。 そんななか、15日まで東京ビッグサイトで開催されていた「オフィスセキュリティEXPO」に出展していたタキロンは、土のうより手軽に、しかも家庭レベルでは女性ひとりでも設置が可能な軽量パネル脱着式止水板「フラッドセーフパネル」と「フラッドセーフパネル ライト」(工事・常設部材不要のタイプ)の止水デモンストレーションを行った。 「フラッドセーフパネル」および「フラッドセーフパネル ライト」は、中空構造のポリカーボネートパネルのため、アルミ製パネルに比べて約4割の軽量化を実現。高さ500×幅1000mmのパネルの場合なら、1枚約9.5kgとなっている。設置はレールにはめこみ、レバーを倒すだけ。特殊止水パッキンを備えているので、水深が増してもにじむ程度で済むという。 また、パネルは半透明なので、室内からでも水の深さを確認することができる。 止水板は高さ350~650mm、幅500~2000mmまでは1枚で対応できるが、低地や台風被害で絶対に浸水を防ぎたい場合は、2段使いで高さ700~1000mm、幅500~1500mmに対応する。地下街への入口など、間口が広い場合は中間柱でパネルをつないで横幅を長くすることも可能だ。2段使いの場合は床面にレール設置が必須となる。格納庫、工場、倉庫、電源設備、マンション・公共施設エントランスなどですでに導入されているとのこと。 非常時に活用する場所、浸水するとダメージが大きすぎる場所などに、この止水パネルは効果を発揮する。 デモンストレーションでは水槽内に水を溜め、フラッドセーフパネルを設置して水が一滴も漏れない様子を実際に見ることができた。ゲリラ豪雨では短時間でみるみるうちに増水していくが、それよりも早い勢いで水が溜まっていったが、パネルを挟んだ反対側はまったく水漏れしていないことが確認できた。 ゲリラ豪雨の場合、雨が止めば水が引くのも早いので、後片付けも簡単なのは魅力的だ。 現在は企業や公共施設での導入が中心だが、低地などの住宅でも導入し、備えておけば、結果的に家を浸水から家を守ることができ、災害での被害を免れることができるだろう。浸水被害に遭った時にかかる復旧コストを鑑みれば、導入コストはもしもの時の保険料と考えることもできる。