さて、もう一方のスタビライザー(ジンバル)は、電子制御となっているため、こちらは歩きながらの撮影も大きな問題はない。電子制御のため、最初のセッティングも人手を煩わせることはない。バランスを調整する部品がついているが、だいたいのバランスがとれていればあとはスイッチを入れるだけですぐに水平を保ってくれる。
本体の回転はまったくないわけではないが、普通に歩いていてもあまり気になることはないレベルだ。ただし、細かい振動、急激な振動を加えると電子制御が追いつかず、バランスをくずしたまま復帰できない状態になることがある。
電子制御方式のスタビライザーが効果を発揮するのは、乗り物の中からの撮影かもしれない。車などに乗った状態で車内から外の景色などを撮影する場合、手持ちだと路面の凹凸や車の振動を拾いやすいが、これならば、とりあえずまっすぐグリップも持っていれば、フレームの固定はスタビライザーがやってくれる。
●まとめ
今回レビューした2つの製品は、機構も価格も違うため単純な比較はできない。細かい制御については、電子制御のほうが楽で性能が高いのは当然として、やじろべえ方式でもちょっとしたコツをつかめば十分に使える。
実際にどんな動画になるかは、サンプル動画を作ってみたので参考にしてほしい。最初は、歩行しながら撮影した動画で、手持ち、やじろべえ方式、電子制御方式の順の映像だ。そのあと、車の助手席からの撮影で、手持ちと電子制御方式の比較をしている。
歩行試験のときは風が強くて、風の音をひろっている。音はきにしないでほしい。ただ、風にあおられないように、若干慎重に歩いている。そのため、結果の画像に大きな違いはみられない。走行中の車の中からの撮影は、やじろべえ方式だと、レバーが車内で邪魔になるのでテストにならなかったので、手持ちと電子制御の2パターンの比較となっている。
車の中で手持ちカメラ(スマホ)だと、カーブや路面の凹凸で大きくフレームがブレることがあるが、電子制御ジンバルでは、そういったことを気にせず持っているだけで、より安定した「ヌルっと動画」が撮れた。
(協力:サンコー)