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完全ワイヤレスの超小型イヤホン「EARIN」! 北欧ベンチャーの開発者が語った商品化までの道のりとは

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両耳のイヤホン部が完全にケーブルレスなBluetoothイヤホン「EARIN」(写真上)。創業者の一人であるペア・ゼンストローム氏(同下)
  • 両耳のイヤホン部が完全にケーブルレスなBluetoothイヤホン「EARIN」(写真上)。創業者の一人であるペア・ゼンストローム氏(同下)
  • 両耳のイヤホン部が完全にケーブルレスなBluetoothイヤホン「EARIN」
  • EARINの商品パッケージ
  • イヤホンを専用のカプセルに格納して、充電しながら持ち運べる
  • ペア・ゼンストローム氏のほか、全3名の創業メンバー
  • 2013年の企業後の歩みを紹介
  • 開発資金はキックスターターで集めた
  • 開発ヒストリーを年表で紹介。当初の予定よりは時間がかかったが、完成度の高い製品が生まれたとゼンストローム氏は振り返って自己評価する
■ペアリングは手間いらず!すぐに音楽再生が楽しめる

 Bluetoothイヤホンは通常、1台のモバイル端末に対して1台のデバイスをペアリングして使うものだが、このEARINに関しては同時に2台のイヤーピースを同期させながらステレオ音声を再生できるようにしなければならない。仕組みとしては左側のイヤーピースをモバイル端末に接続して、左側イヤホンに送られる音声信号を、今度はタイミングを揃えて右側のイヤホンに送り出すことで、左右の音声にタイミングのズレがない、切れ味の冴えたサウンドを実現している。「この信号伝送まわりの技術を完成させるために、言葉にできないほどの苦労があった」と、ゼンストローム氏は安堵した表情で振り返った。ちなみにこの信号伝送の技術に特別なネーミングはないが、イヤホンへのインプリメントに関するノウハウについては同社が特許を取得しているという。

 ゼンストローム氏が「ワイヤレスイヤホンにとって非常に大事なコンポーネント」として挙げるのは「バッテリー」。耳栓型のイヤーチップは装着すると周りの人に音楽を聴いていることに気づいてもらえないほどコンパクトだが、キャビネット内部の容積は大半がバッテリーを組み込むために割かれている。ゼンストローム氏は、バッテリーのパフォーマンスを最大化するため、サイズと容量のバランスの駆け引きに腐心したと振り返る。最終的には同製品のためにカスタムオーダーしたバッテリーパックが搭載されたそうだ。もう一つ、左右イヤーチップ間に音楽信号をエラー無く到達させる安定した伝送品質を確保するため、アンテナの感度を高めることにも大いに気を配ったという。

 「本体の外観をシンプルにしたかった」とゼンストローム氏が語るように、イヤホン部にはボタンらしきものが見当たらないミニマルなデザインだ。「通常は本体に電源ボタンなどが付いているものですが、これらはすべて省いて、アルミの削り出しケースを用いたポケットサイズのカプセルの中から出し入れする際に、電源のON/OFFが連動する仕組みです。600mAhのバッテリーを内蔵するカプセルに格納すると、イヤホン部の充電がはじまります。最大で連続3時間の音楽再生ができるだけのバッテリーがイヤホン部に搭載されていますが、バッテリーが尽きてもカプセル内蔵の充電池で3回分のチャージができます」とゼンストローム氏は機能の詳細を説いた。なおケースはパッケージに付属するmicroUSBケーブルをつないで充電ができるので、旅先にも軽快に持ち運べそうだ。本体には耳元への装着性を安定させるため、着脱式の樹脂製イヤーフィンやCOMPLY社のメモリーフォームチップが同梱されている。

 Android/iOS対応の専用アプリ「EARIN」を併用すれば、左右イヤホンのバッテリー残量がメーターで可視化できるほか、ベースブーストなどの簡易なイコライジング機能が利用できる。なお、5月末にはWindows 10 Mobile版アプリもリリースを予定している。

 そのプロダクトデザインが高く評価され、デザイン業界におけるオスカーとも言われる「iFデザイン賞」も獲得したことも作り手の誇りだとゼンストローム氏は胸を張った。最後にゼンストローム氏は、今後も完全ワイヤレスイヤホンの先駆者であるという自負を胸に刻みながら、さらに腕を磨いてカテゴリーリーダーとして質の高い製品を作り続けていきたいというストイックな意志を言葉に換えて示した。
《山本 敦》
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