「MWC 2016」(スペイン・バルセロナ)に出展する富士通が「ハイパー・コネクテッド・バン」と呼ばれるIoTのコンセプトカーを展示している。同機が掲げるコンセプトは車輪の付いた“走るオフィス”だ。 車内にLTE/3GのほかWi-Fiなどインターネットに常時接続できる通信機能を乗せて、物流業界など車での頻繁な移動を伴うビジネスマンに快適な仕事環境や高度なロジスティックスを提供するモバイル・ハブとしての機能性を追求している。 会場ではハイパー・コネクテッド・バンを運送事業で用いた際の事例を紹介している。RFIDで管理された荷物を積載した運送車両どうしが互いに通信機能をアクティブにすることで、荷物配達の最新ステータスを常時把握しながら作業効率を高めることができるようになるというものだ。 例えば顧客からの在宅情報をクラウド経由で常時受けることにより、配達先に必ず受取人がいるタイミングで最初の配達ができるようになり、「再配達」の手間も減る。結果、運送会社は輸送に関連するコストをカットすることができるようになり、サービスを受けるコンシューマーは荷物を最適なタイミングで受け取れるので、サービス満足度も向上するという筋書きだ。 富士通ではコンシューマーの視点に立ったIoTの活用事例として、同社が得意とする通信やクラウドまわりのテクノロジーを融合したサービスモデルとして提案していく考えだ。