ゴミ圧縮機の開発などの環境事業を手掛けるエルコムは27日、東京ビッグサイトで開催中の「新電力EXPO2016」で、発泡スチロール燃料化システムに関する展示を行った。 同社では以前から発泡スチロールを非加熱で圧縮する減容機を提供していたという。発泡スチロールは再利用の用途が無いため、埋め立ててゴミにするしかなく、企業によっては廃棄コストが大きな負荷となっていた。 中でも、問題視されていたのが漂着ブイだという。毎年相当量が海岸に漂着するが、廃棄にかかる費用は1本1000円。水濡れや貝殻の付着などがあると、一般の処理装置では対応できなかった。これに対応すべく、同社では「スチロス・ブイ」という専用の圧縮減容器も開発している。 今回展示された発泡スチロールペレタイザー「スチロスター」は、その延長線上にある機械となる。発泡スチロールを1/40の容積まで圧縮することで燃料化。重油に比べると発熱量は8.833kcal/kgとほぼ同等で、それでいてコストは1/2に抑えられるという。 なお、ペレットは関連のリサイクル業者で生成し、提供する形を想定している。これを主燃料とする専用の小型温水ボイラー「エコボイラーネオス」は5月に発売を予定。現在は鋳物メーカーや自動車メーカーなどから、加温や洗浄用途などでの引き合いが入っているとのことだ。 また、工場関係ではペレットを使った自社発電についても、相談を受けているという。今まで捨てるしかなかった発泡スチロールが電気に変わる、そんなリサイクルビジネスが成立する日が来るかもしれない。