「第6回 広島の楽しい100人」の登壇者である加藤宇章氏は、造形作家であり、大学で芸術を教える講師であり、子供から大人までが学ぶアートスクール「アトリエぱお」の代表であり、この夏被爆70年を記念して行われた子供たちによる平和の壁画プロジェクト「キッズゲルニカ in ひろしま」の中心人物としても国内外を精力的に飛び回る、エネルギッシュな芸術家である。
加藤氏が中心として関わっている「キッズ・ゲルニカ in ひろしま」も、加藤氏が平和を願う気持ちを形にしたものだ。「キッズ・ゲルニカ」は、ピカソがナチスドイツに抗議して描いた巨大壁画ゲルニカと、同じ大きさの絵を子供たちが平和を願って描く、という20年前から始まった世界的な平和アートプロジェクト。世界40カ国でこれまで300枚以上が描かれてきた。
8月に開催していた「キッズ・ゲルニカ in ひろしま」では、照り返す暑い日差しの中、来場者一人ひとりに丁寧に話しかけ、子供達の作品について語る加藤氏の姿を毎日のように見かけた。「キッズ・ゲルニカ in ひろしま」などを通じて、加藤氏はここ広島で今年も、来年も、平和であたたかな想像力を周囲の人たちの心の中に育み続けていく。