流体の可視化は、コンピュータ上での力学シミュレーションとして各所で紹介されているものだが、この展示の面白いところは物理的なデバイスで風圧を表現している点だ。
可視化のアイデアは、温度センサーを利用して、風速センサーにしているところ。温度センサーは熱線式で、風の当たり具合で温度(抵抗)が変化するため、風圧も推定できる。この風速センサーをマトリクス状に432個分を大量に並べておき、可視化モニターとして構成しておく。そこで団扇などでセンサーに風をあてると、その風の強さにより、センサーに内蔵されたLEDの発色が変わる。これは、あらかじめプログラムされているという。
1つの風速センサーのLEDは、黒(無風)から、青、水色、緑、黄色、オレンジ、赤(最大風圧)まで、虹の7色の順番に段階的に発光するように組み込まれている。いわば1つのセンサーが、7色のドット光の役目を果たすわけだ。
実際に風を送ると、リアルタイムに色が変化していく様子がよく分かる。科学番組でよく取り上げられている「煙の輪をつくる風圧装置」を使うと、同じように風の輪がセンサーのLEDでも表現できるという。