スウェーデンに拠点を置くZOUND INDUSTRIES社は、Marshallブランドのスピーカーやヘッドホンを展開してきたが、8月に“音のいいスマホ”「Marshall London」を発売した。「IFA 2015」の展示会場で、実機にふれて実際にどんな音が聴けるのか試すことができた。 Marshallはロックやエレキに詳しい方なら、おそらく誰もがご存知であろうイギリスの楽器向けアンプのメーカーだ。ZOUND社は、スピーカーやヘッドホンなどコンシューマーオーディオ製品にMarshallのブランドネームを使うためのライセンスを取得し、これまでに「Major」など銘機の名前を冠したオーディオ製品を発売してきた。 8月には初めてのAndroidスマートフォンを直販サイト限定で発売し、「音のいいスマホ」として話題を集めている。IFA 2015では会場にブースも構えるが、現地時間3日に開催されたプレイベントのShowStoppersでひと足早く披露された。 直販サイトでのオーダーはすでに始まっており、北欧やヨーロッパを中心とした22カ国で販売をスタート。日本から購入することは今のところできないようだが、展示の説明を担当していたStefan Wessels氏は「アジア各国のLTE/3Gネットワーク帯域をサポートしているので、手に入れてもらえれば使えるだろう」と話す。価格は549ユーロ。SIMロックフリーだ。現時点で日本からオーダーを入れることはできないようだ。 本体は4.7インチのIPS液晶を搭載。Android OSは5.0.2。片手持ちもできるサイズ感が心地良く、本体のフレームはラバー素材でカバーされている。背面にはMarshallのアンプにデザインを合わせたシボ加工を採用するスタイリッシュなルックス。ボリュームノブもアンプのデザインからインスパイアされたという、ゴールドのダイアルをまわすスタイルとしている。 トップに配置する「Mボタン」を押すと本体にインストールされているミュージックプレーヤーのほか、SoundCloud、Spotilyなど音楽再生機能の選択画面が立ち上がる。2つのイヤホンジャックも設けられており、2人で同じソースをペアリスニングできたり、信号入力にも対応しているので外部ソース機器をつなげば48kHz/24bitのハイレゾ録音までできてしまう。なおイヤホン再生も48kHz/24bitのハイレゾ出力に対応した。本体には16GBのストレージを内蔵するほか、背面パネルを開ければSDカードスロットも設けられている。 今回は筆者が会場に持参したイヤホンで音楽を聴いてみた。ちなみに本機のウリはフロントパネルにステレオスピーカーを搭載していること。音楽コンテンツだけでなく、オンライン動画再生も迫力あふれるサウンドで楽しめるスマートフォンとしてアピールしている。 サウンドの傾向は重低音をがっつりと聴かせるタイプ。ロックのドラムスはドスンと響くバスドラの分厚いリズムが効いている。でも中高域をマスクしてしまうような歪みがなく、ボーカルやギター、シンセサイザーなど中高域を構成する音のクリアさが損なわれることはなく、全体的に音のバランスは自然なイメージに整っていると感じた。ルックス、サイズ感ともに“電話もかけられるオーディオプレーヤー”としてメインのスマホとは別に持ち歩きたくなる個性的なスマートフォンだ。
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