セキュリティ関連機器を扱う企業の多くは、ショールームを持っていることが多いが、基本的に一般に開放していることが少なく、エンドユーザーはなかなか見に行くチャンスがないのが実情……。そこで本連載では、一般のエンドユーザーに代わって企業のショールームを訪問し、各企業の特長や技術を紹介していきたい。 第1回は、防犯センサーや自動ドアセンサーなどを世界規模で展開するオプテックスグループ(オプテックス)の本社(滋賀県大津市雄琴)内に設けられたショールームを見学。琵琶湖を望む風光明媚な場所に建つオプテックスの本社には、最新の製品や企業の歴史ともいえる過去の製品が展示されたゾーンと、最新の保有技術を使って実際のセンシングを体験できるゾーンの2つが用意されている。 製品ゾーンに入ると、まずコンビニやオフィス、店舗などでよく見かける自動ドアセンサーが展示されている。実は日常生活でよく目にしている自動ドアセンサーのルーツは、同社が1980年に世界で初めて開発した遠赤外線を利用した自動ドアセンサーなのだ。 主力事業の1つである防犯センサーは豊富なラインナップをそろえており、なかでも屋外向け侵入検知センサーは約4割の世界シェアを有している。屋外では、屋内に比べセンサー自然環境の変化による誤動作要因が多く、確実な侵入者検知は難しいと言われていた。しかし、同社は、屋外環境に左右されない、安定した性能を発揮する屋外向け侵入検知センサーを市場に投入し続けてきたことで、高いシェアを獲得している。 そして体験型ショールームでは、同社子会社の画像認識技術を使った人数カウントシステムのデモ展示が出迎えてくれる。入口ドア付近の天井に取り付けられたカメラで、人の立体的な外形形状を計測するとともに、人を認識・追跡し、人数カウント情報をリアルタイムに表示している。 また、物体の大きさ、移動距離、移動速度を判別できるレーザースキャンセンサーは、センサーで見えない面状の壁「バーチャルバリア」を形成。バーチャルバリアを形成した壁を触ると、その触った場所にPTZカメラ(パンチルドズームカメラ)が自動追尾する。この技術は、社会インフラ、空港、発電所、軍事施設、プラント工場、港湾など高いセキュリティ性を求められる場所で導入されているとのこと。