■Scratchで広がる子どもへの教育の可能性 Scratchで広がるRomoの可能性と子どもへの教育効果についても、阿部氏は言及。現行のScratchは、Version1.4のスタンドアローン型のほか、最近ではWeb版のバージョン2が登場し、ブラウザさえあればアプリケーションのインストールを禁止する学校でも使えるようになった(ただし、Web版とRomoによる接続は現時点では未検証)。 また阿部氏は、「ロボットの形をしている装置を制御することで、社会性のある課題にも挑戦できるでしょう。Pepperのような本格的なコミュケーションロボットと同じようなことを、子どもでも開発できる可能性があります」と強調。さらには、「これからの世界は明確な答えのない時代になるため、自分で問題を設定して解決する力や、プロジェクトをデザインする力、アイデアを伝える力が求めらます。そのために、プログラミング力が学びの新しい形として使えるというのが、Scratchを開発したMITのレズニック教授の考え方です」と紹介した。 最近では、中学校の技術・家庭で「プログラムによる計測・制御」についての指導要領が出ており、すでにプログラミング学習が必修化している。まだ日本はScratchのユーザーは少ないものの、その優れた特性を実教科の学習教材として取り入れようとする学校も出てきた。たとえば品川区立京陽小学校のように、1年生から6年生の学年ごとにScratchを学科事業で活用する事例もある。 Scratchには遠隔センサー機能があり、遠隔用のセンサーボードのほか、Androidの加速度センサー、Kinectのモーションセンサー、LeapMotionのジェスチャー、Raspberyry PiのGPIO、Minecraft Piなど、ほとんどのセンサーやデバイスに接続できるため、モノづくり教育にも役立つだろう。今回、セールス・オンデマンドが発表したRomoとの接続も、その1つの事例といえる。教育効果の高いScratchが、Romoというロボットと結びつくことによって、より身近なモノが動く仕組みを、楽しみながら学習できるようになることが期待される。
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