映画『アメイジング・スパイダーマン2』に登場する最強の敵がエレクトロだ。オズコープ社の電気係のマックスが事故に巻き込まれエレクトロに変貌する。電流を発し、街中を破壊するエレクトロを止めるために、戦いに挑むスパイダーマンだったが……。 エレクトロを演じるのはアカデミー賞受賞俳優、ジェイミー・フォックス。エレクトロのキャラクターや、自らの役作りについて話を聞く機会を得た。--- 事前にどのコミックス作品を読みましたか。制作スタッフから指示がありましたか。フォックス:マックスについては知っていたが、改めて読むことはなかった。でもコミックスの世界観は理解しているつもりだ。子供の頃はコミックスが好きでよく読んでいた。ヒーローごっこなんかもしたしね。好きだったのは、スポーンとかブレイドとか、ダークな雰囲気の作品だね。--- エレクトロとはどんなキャラクターですか。フォックス:エレクトロの話をする前に、コミックスに登場する人物、マックス・ディロンの話をしないといけない。マックスは妻に捨てられ、今は母親と一緒に暮らしている。父親は家族のもとをすでに去っている。母親はマックスを溺愛しているが、厳しく辛くあたって子ども扱いし、彼の成長を阻んでいる。こうした知識を頭の引き出しにしまっておくわけだ。--- エレクトロの声はスティーブ・マックイーンを参考にしたと聞きましたが?フォックス:マックイーンのメカニカルな声の資質が合っていると思った。感情の動きでは『アマデウス』のサリエリ(演:F・マーリー・エイブラハム)を参考にした。神に祈っている自分は才能に恵まれず、神に祈っていないアマデウスが成功する。マックスは他人から自分の名前を呼ばれたいのだけれど、神が選んだスパイダーマンはマックスの名前を忘れてしまった。母親すらマックスの誕生日を覚えていない。マックスがどうして悪役になったか、出発点だね。