マイクロプロセッサで有名なARMは、ET2013=「Embedded Technology 2013/組込み総合技術展」のブースで多くの応用事例を紹介していた。ここではmbed(エムベッド)関連の紹介をしよう。 mbedは、同社のCortex-M搭載マイクロプロセッサを使用したIoT(Internet of Things)向けの高速プロトタイプ・プラットフォームだ。mbedの大きな特徴は、ブラウザーで動作するオンラインIDE(開発環境)をサポートし、クラウド上で誰でも簡単にプログラムを開発できること。 ユーザーは、このIDEでプログラムを記述し、ソースコードをコンパイラーでバイナリファイルに変換した後、ネットを通じてターゲットのmbed側にある内蔵フラッシュメモリに書き込めるため、すぐに動作を確認できる。また、mbed.orgで公開されているさまざまなライブラリをインポートして使うことも可能だ。 リードパートナーのNXPセミコンダクターズほか、各社から、それぞれ特徴のあるmbedイネーブル(互換)・プラットフォームが発売されている。 ARMのブースでは、NXPセミコンダクターズ製の「LPC800-Max」や、フリースケール・セミコンダクタ製の「FRDM KL25Z」、Seeedstudio製の「Seeedunio Arch」が展示されていた。 また、コアなユーザーがmbedを使用して開発した面白い作品も紹介されていた。たとえば、じぇーけーそふと氏の「うぉーるぼっとmini」は、LPC1114 mbed を使用した作品だ。ロボット本体の裏側の磁石がついており、鉄板に張り付きながら、赤外線リモコンで操作できるロボットベースボードだ。 一方、エン/129氏の「円筒型ドットマトリクスディスプレイ」は、LPC1768 mbed を利用した作品。 使った表面実装型LEDは合計1500個。すべて手作業でハンダ付けしたそうだ。mbed によって、ランダムにLEDの発光色を変えながら、文字やイラストなどの表示パターンをコントロールする。いずれも9月に開催された mbedのイベントに出展したものだという。 mbedは、アプリケーションボードを含めて1万円以下で購入できるため、電子工作が好きなホビーイストに好評を博している。ソフトウェア開発の勉強にもなるので、ぜひチャレンジしてみてはいかがだろうか?壁を動き回る、うぉーるぼっとminiのデモ。赤外線リモコンで操作できる。