例えば、『サンダーボルト』の演奏では、「シンギング・テスラコイル(Singing Tesla Coil)」という音によって稲妻を引き起こす超高電圧の変圧器が登場。ビョークと稲妻の競演に一気に観客のボルテージが上がる。『Moon』では音律を刻むハープの一音、一音に呼応してタッチパネル上で月齢が変わり、月の形が変化していく。
コーラス隊とのアカペラで始まった『Oskasteinar』から16曲目の『Solstice』まではメンバー紹介以外のMCはほとんどなく、曲が終わるごとに「アリガト」「オツカレサン」と片言の可愛らしい日本語を話していたビョークだったが、アンコールになって言葉数が増えたのも嬉しい出来事。3曲目のアンコール曲となった『Declare Independence』の前に、「If you want to dance, Don’t stop!(もし、踊りたいのなら止まらないで!)」と呼びかけたことで、観客席の興奮度はマックスとなり、盛り上がりは最高潮に!
ビョークは今回、ライブツアーにあわせて子どもたち向けの「Creativity as a Learning Tool (学習ツールとしての創造性)」という音楽と科学について直感的に学ぶことができるワークショップも日本科学未来館で開催した。自然とテクノロジー、そして音楽。彼女の問いかけはこれからも続いていく。
―セットリスト― ・ Oskasteinar ・ Thunderbolt ・ Moon ・ Crystalline ・ Hollow ・ Dark Matter ・ Pleasure Is All Mine ・ Mouth’s Cradle ・ Virus ・ Sonnets ・ Unrealities XI ・ Where Is the Line? ・ Pagan Poetry ・ Mutual Core ・ Cosmogony ・ Solstice ―アンコール― ・ One Day ・ Nattura ・ Declare Independence