理経とスカパーJSATは16日、JAXAの超高速インターネット衛星「きずな」(WINDS)の社会化実験(民間利用実証実験)において、米国Comtech EF Data社のTCPアクセラレーター「Stampede FX」を実際の衛星回線に利用し、検証実験に成功したことを発表した。 「Stampede FX」は、データ圧縮による通信データ量の削減、コンテンツキャッシング、VLANやQoSによるトラフィック管理、ソースIPアドレスの保持による通信の監視等の機能により、衛星回線やWAN上でのTCPによる通信の最適化・高速化を実現できる機器だ。衛星通信では、遅延の影響によりスループットの低下が発生する。今回の実験は、「ファイル転送(FTP)」「webブラウジング(HTTP)」について、TCPアクセラレーターを導入することでの改善効果を検証する実験で、4月22日に行われた。 「ファイル転送(FTP)」実験では、衛星回線の帯域はクライアントからのアップロード方向が24Mbps、ダウンロード方向が40Mbps、遅延(実測値)は往復で約550msecという環境下、大容量ファイルのアップロード/ダウンロードを行った場合の回線速度の比較、検証実験を行った。「Stampede FX」を使用することで大幅にスループットが改善(最大約30倍)された。 「webブラウジング(HTTP)」実験では、衛星回線の帯域はクライアントからのアップロード方向が40Mbps、ダウンロード方向が24Mbps、遅延(実測値)は往復で約550msec、インターネット回線は光インターネット回線として一般的な最大100Mbpsのベストエフォートという環境下、地上インターネット回線を介したアップロード/ダウンロードの回線速度の比較、検証実験を行った。こちらも「Stampede FX」を使用することで大幅にスループットが改善(最大約10倍)された。JAXAきずな(WINDS)実験推進ページhttp://winds-ets8.jaxa.jp/winds/index.html