バイク買取専門店「バイク王」の新キャラクターとなったルパン三世で、なぜハーレーダビッドソンに峰不二子が乗るのか。そのルーツは35年前に公開されたルパン三世の映画にあった。その映画とはシリーズ1作目となった『ルパン三世~ルパン三世VS複製人間~』(78年公開)だ。ここで峰不二子が操るのがハーレーのフラッグシップモデルであるFLHTだった。峰不二子フィギュア製作の苦労とともに、広報担当の平見真理子さんに聞いた。「展示を終えて、お客様にお贈りする峰不二子オリジナルカスタムバイクは、バイク王で用意した2008年モデルのFLHTです。映画に登場する当時のモデルとはエンブレムに違いがあり、これを当時のものに変えました。ボディ色も私たちは不二子ちゃんピンクと呼んでいるのですが、映画の中のものにできるだけ近づけてみました」約2.5m×約1m×約1.5m(長さ・幅・高さ)のFLHTに乗っても、リアルに感じることができる等身大の峰不二子であるために、その製作も細部まで試行錯誤を重ねた。「まず、ハーレーにまたがって最も美しくみえるポーズを考えました。このポーズを製作会社にお願いして、3次元コンピューターグラフィックで再現。それを基本にリアルな不二子ちゃんらしさを追及しました」(平見さん)その作業はまるで車両のクレイモデルを作るように、より細くみせたいところはミリ単位で削り、太くしたいところはパテ埋めしていったのだという。製作関係者によると、「これで峰不二子が一まわりスリム化した」そうだ。バイク王と製作者がせめぎあい、毎日のように連絡をとりあったポイントもある。「それはレザースーツに隠された峰不二子の胸元ですね。開けすぎると胸が離れるので、この高さが一番いいとアドバイスをいただきました。ほんの数ミリですが細部のこだわりを感じました」(平見さん)スロットルに指を添える角度や、謎めいた微笑みを浮かべる不二子らしい表情にも気を配り、キャラクターの不二子らしさと、女性が乗っているかのようなリアルさを、ライディング・ポーズの中に再現したという。不二子フィギュアはFRP製で、重量は20kg。製作日数は超特急だったが3か月を費やした。18日の展示では大人3人が本物の女性を扱うように慎重に乗せた。