善も悪もない、新たな学園ファンタジー『RDG レッドデータガール』 内山昂輝インタビューこの4月から、キッズステーションなどでスタートする期待の新作テレビアニメ『RDG レッドデータガール』(以下『RDG』)。「西の善き魔女」シリーズなど、数々の人気作を手がけ、幅広いファンに支持されている人気作家・萩原規子がつづる現代ファンタジー小説を原作とし、キャラクター原案にゲーム『ロロナのアトリエ アーランドの錬金術師』などで人気の岸田メル、アニメーション制作を『花咲くいろは』『Another』のP.A.WORKSが務めるなど、メディアを横断した多彩な顔ぶれが目を引く、注目の新作となっている。今回はその『RDG』のキーキャラクターとなる少年、相楽深行(さがら・みゆき)役の内山昂輝にインタビュー。すでに収録は終わっているとのことで、作品の見どころから、相楽深行というキャラクターの内面、共演者とのエピソードなど、『RDG』の魅力を様々な角度から語ってもらった。[取材・構成:野口智弘]キッズステーションhttp://www.kids-station.com/ 『RDG レッドデータガール』http://www.kids-station.com/program/detail/166721.html キッズステーション:4月9日(火)より放送スタート毎週(火)深夜0:00~深夜0:30 週替り※その他放送あり「RDG レッドデータガール」 キッズステーション放送記念 プレゼントキャンペーン http://www.kids-station.com/campaign/rdg/[あらすじ]世界遺産に認定される熊野古道、そこにひっそりとたつ玉倉神社。鈴原泉水子(すずはら・いずみこ)は、神社の宮司である祖父に育てられ、外の世界をほとんど知らない。長いお下げ髪、めがね、引っ込み思案。泉水子がさわるとパソコンも携帯もなぜかフリーズしてしまう。「もっと、普通の女の子になりたい」周りと違う自分に悩んでいた、そんなある日、幼なじみの相楽深行が玉倉神社に現れて、泉水子の通う中学校に転校してくることに……■ 福山(潤)さんに対してイラッとするようにしていました(笑)―― 内山さんが演じる相楽深行というキャラクターの最初の印象は?―― 内山昂輝さん(以下内山) オーディションのときに岸田メルさんのイラストと、作品概要をいただいたのがファーストコンタクトでした。その絵の深行はとても美少年だったので、当初はそのイメージに引っ張られましたね。そのせいでオーディションでは声が優しくなっちゃったんですけど、最初のテストで音響監督の若林(和弘)さんから「イライラした感じを乗せてほしい」と言われたので、もっと思春期な感じや、感情が固まってない感じを乗せてトライしました。―― 演じてみて、深行はどういう少年だと感じましたか?―― 内山 山伏の修行という、とても変わったことをしていて、なおかつ反骨精神をすごく持っている子ですよね。それにくわえて父親との確執といった思春期特有のイライラもある。でも深行はモードの切り替えができる少年でもあると思います。父親の雪政との口論で感情をはっきり出すときもあれば、泉水子やその家族と会うときには優等生モードでふるまう。高校の生徒会で話しているときもそうだし、また、宗田兄弟と話す友達モードもあるし、そうしたなかで最初はよく思っていなかった泉水子との関係性もだんだん変化していく。でも、深行は決して猫をかぶってるわけではないんですよね。パブリック場面できちんと礼儀正しくできる少年なんだなと思っています。あとは基本的にはストイックなので、自分に対しても厳しくしている感じは意識しました。―― ご自身に近いキャラクターですか?―― 内山 中高生のときの鬱屈した感じとか、イライラした感じとかはとてもよくわかりますね。ただ山伏の家系と言われても、そこ流石に経験がないので(笑)。そういう意味では難しかったですね。普通の子と違うことをしてきた子なんだけど、そこだけにも気を取られないよう注意しました。―― アフレコで大変だったところは?―― 内山 例えば深行と雪政が喧嘩しているシーンでも、表情の動きからして細かいんですよね。作品によってはなにか喋る旅にワンアクション、という単純な流れも多いんですが、『RDG』はしゃべっている間もなにか動作をしていることが多かったんです。そういう作品は事前に考えて仕込んでおく手間もかかるし、仕草によってセリフの言い方を変えなきゃいけないので、端的に言って難しいです。どれかひとつの喜怒哀楽だけだとすんなりいくんですけど、今回はセリフを言っている間にもいろんな感情が混ざっていくので神経を使いました。でも、だいたい苦戦した作品のほうが見返すと面白かったりするので、大変な分だけ報われるのかなと(笑)。―― 父親とのシーンの話が出ましたが、父親役が福山潤(『コードギアス 反逆のルルーシュ』ルルーシュ役など)さんというのも、ちょっと珍しいキャスティングですね。―― 内山 そうですね。福山さんがお父さんというのは正直びっくりしました。福山さんもお父さん役は初めてだそうです。原作でも超イケメンで父親に見えない人物ということで、福山さんは実はぴったりなんです。劇中では喧嘩ばっかりしている親子なので、僕も現場で福山さんに対してはできるだけイラッとするようにしていました(笑)。――(笑)。収録現場の雰囲気はどうでしたか?―― 内山 収録現場の雰囲気は柔らかい感じでした。主人公の泉水子をやっている早見(沙織)さんの人柄もあるのかもしれないです。早見さんと一緒にお仕事したのは初めてでしたが、演技もすばらしいし、素顔も真面目でいい子だし、本当によくできた子だなと。僕より年下なんですけど、お姉さんのようです。すれてない素直な感じとか、泉水子と重なる部分もあって、まさに適役だと思いました。―― 現場での思い出深いエピソードは?―― 内山 早見さんがもっていた別の作品の台本の裏表紙が数独のパズルになっていて、それを空き時間に福山潤さんとかみんなで回して解いてました。木村良平君が妙にうまいんですよ(笑)。「海外旅行に行くとき、移動中は必ずやるんだよね」って言ってました。■ いろんな入り口を持った、品のいい作品です―― 物語の序盤の注目ポイントは?―― 内山昂輝さん(以下内山) ネタバレしない範囲で言うと、第1話の冒頭にカラスが出てくるんですが、注意しておいてください。収録中に、「実はこういう設定なんです」と教えてもらって、「初見じゃわかんないよ!」と思いましたけど、伏線になっているそうです。見るたびに発見があると思うので、何度でも見てほしいですね。――『RDG』のタイトルは絶滅危惧種を掲載した「レッドデータブック」に由来していますが、内山さんにとって絶滅してほしくない、希少なものはありますか?―― 内山 自分にとって希少なもの……なんですかね? あ、ラジオかな。自分はそれほどテレビを見る習慣がないので、ラジオをよく聞いているんです。今はradikoとかインターネットでも聞けるのでありがたいですね。ラジオは作業中にも聞けるからとても便利で、しかも今はポッドキャストが充実していることもあって、自分にとってはすごく大事なものです。メディアとしては古いものですし、テレビやインターネットに押されているところもあると思うんですけど、ラジオはまだまだ絶滅してほしくないですね。―― 最後に見どころをお願いします。―― 内山 いろいろな要素があってはっきりジャンル分けできない、ひと言で説明するのがなかなか難しい作品です。ファンタジックな要素もあるし、引っ込み思案の少女が意見を言えるようになるまでの物語でもあるし、各キャラクターの魅力でも楽しめる、不思議な作品だと思います。P.A.WORKSさんの作品には初めて参加させてもらったんですが、ある日ほぼ完成エピソードを見せてもらって。とても綺麗な映像で、しかも日常描写もすごく細かく描かれていて「これはすごいな」と思いました。―― 先行PVも繊細でリアルな描写が非常に印象的でした。―― 内山泉水子みたいに自分の意見がはっきり言えない子ってたくさんいると思うので、そういう子達にとって心のよりどころになる作品になったら嬉しいです。学園ものでもあるし、ラブストーリーでもある、とにかく多くの楽しみ方を持った作品だと思います。後半にはなかなか奥ゆかしい恋愛描写もありましたけど、収録中そういうシーンに差し掛かると、テストが終わった瞬間に「もう付き合っちゃえよ!」って声が一斉に上がるような感じでした(笑)。とても品のいい作品になっているので、アニメファンの方はもちろん、お子さんから親御さんまで幅広い方々に観てほしいですね。キッズステーションhttp://www.kids-station.com/ 『RDG レッドデータガール』http://www.kids-station.com/program/detail/166721.html キッズステーション:4月9日(火)より放送スタート毎週(火)深夜0:00~深夜0:30 週替り※その他放送あり「RDG レッドデータガール」 キッズステーション放送記念 プレゼントキャンペーン http://www.kids-station.com/campaign/rdg/