1日1作品を掲げて取り組んできたアニメーション作家・水江未来さんの「WONDER 365 ANIMATION PROJECT」が、いよいよ完成に近づいてきた。このプロジェクトは、2012年4月1日にスタートしたものだ。水江さんが毎日、1日1秒の作品を制作、それをネットで公開してきた。主旨に賛同した人の誕生日をクレジットに入れることも話題を呼んだ。これは日常が「誰かにとっての特別な日」の連なりであることを届ける、視聴者参加型のプロジェクトを目指したものだ。制作は西巣鴨にある「にしすがも創造舎」で行われてきた。2004年にアートファクトリーとして新たに生まれ変わった施設が活かされた。3月31日に、このプロジェクトが完成する。「WONDER 365 ANIMATION PROJECT」は、1日1秒、全365本の作品からなる。そして今度はこれを365秒の作品短編アニメーション『WONDER』とする。また音楽は、ロケット・マツさん率いる14 人編成のアコースティックオーケストラ的なグループであるパスカルズが担当する。作品は2013年夏に全国順次公開を予定。さらに世界各国の映画祭の出品もし、さらなる広がりを目指す。水江さんは学生時代より『Fantastic Cell』など、主に細胞をモチーフとした作品を発表してきた。細かな作画でダイナミックに動き、ひと目で水江さんの作品であることを印象づけてきた。国内外の数々の映画祭やコンテストで異彩を放ってきた。近年は「Modern」シリーズが代表作。ここでは一転して立方体をモチーフとした作風で意表をついた。こちらは第68回ヴェネチア国際映画祭のオリゾンティ部門にノミネートされている。[真狩祐志]「WONDER 365 ANIMATION PROJECT」 http://calf.jp/WONDER_365_PROJECT 『WONDER』http://wonder.calf.jp/監督: 水江未来/音楽: パスカルズ助成: 文化芸術振興費補助金協賛: にしすがも創造舎製作 :CALF / CaRTe bLaNChehttp://wonder.calf.jp/2013年夏より全国順次公開予定