日本のトップクリエイターが監督した短編アニメーション4作品が集まった珠玉のオムニバス映画が、劇場公開される。『SHORT PEACE』が2013年7月20日にロードショーとなる作品を監督したのは、大友克洋、森田修平、安藤裕章、カトキハジメというなんとも豪華な4人である。参加スタッフもその実力に定評がある人ばかり、さらにオープニングアニメーションとして森本晃司も参加する。4本はそれぞれがつながりのない独立した作品で、“日本”をテーマとして挑んでいることが共通である。固有の文化から歴史、サブカルチャー、未来とその舞台は変わる。作品のうち大友克洋監督の『火要慎』と森田修平監督の『九十九』は、2012年フランスのアヌシー国際アニメーションフェスティバルでノミネート上映されている。国内でも第14回広島国際アニメーションフェスティバルでの特集「現代日本のアニメーション」で上映されているが、一般公開はまだされていなかった。また、第16回文化庁メディア芸術祭のアニメーション部門で『火要慎』が大賞、『九十九』が審査委員会推薦作品として上映されていた。さらに『火要慎』は第85回アカデミー賞の短編アニメーション部門でノミネート候補、第67回毎日映画コンクールで大藤信郎賞とすでに高い評価を獲得している。満を持して一般公開を迎えることになる。大友監督は映画『AKIRA』、その原作ほか数々のマンガ、映像作品で知られる。日本を代表するクリエイターとして世界的な存在だ。アニメ映画の公開は、『スチームボーイ』以来9年ぶりとなる。森田監督はOVAの大作『FREEDOM』などで知られている。CGアニメの新たな試みにも積極的に取り組む。さらに注目されるのは、今回、新たに安藤裕章監督の『GAMBO』とカトキハジメ監督の『武器よさらば』、森本晃司監督のオープニングアニメーションの存在が明らかにされたことである。安藤監督は『鉄コン筋クリート』など、カトキ監督はガンダムシリーズなどのメカニックデザイナーとして、森本監督は『アニマトリックス』などで活躍してきた。大御所から新鋭まで揃い踏みの映画は大きな話題を呼ぶに違いない。また3月22日には、東京国際アニメフェア2013の小ステージAにて製作発表会が行われる。Twitterも開始されたので今後の続報にも注目したい。[真狩祐志]SHORT PEACE COMMITTEEhttp://shortpeace-movie.com/Twitter http://twitter.com/shortpeacemovie『火要鎮』(ひのようじん)脚本・監督: 大友克洋キャラクターデザイン・ビジュアルコンセプト: 小原秀一音楽: 久保田麻琴『九十九』(つくも)脚本・監督: 森田修平ストーリー原案・コンセプトデザイン: 岸啓介『GAMBO』監督:安藤裕章原案・脚本・クリエイティブディレクター: 石井克人キャラクターデザイン原案: 貞本義行『武器よさらば』原作: 大友克洋脚本・監督: カトキハジメキャラクターデザイン: 田中達之「オープニングアニメーション」森本晃司