2月23日、北海道・夕張市で開催されている第23回ゆうばり国際ファンタスティック映画祭にて、VFX-JAPANアワード2013の授賞式が開催された。この場で過去1年間に優れた業績を残したVFXの映像6作品が決定した。劇場公開映画部門は、『ALWAYS 三丁目の夕日‘64』が優秀賞を受賞。会場を訪れた山崎貴監督が登壇し、トロフイーを受け取った。また劇場アニメーション映画部門は『friends もののけ島のナキ』が、CM、博展映像部門は『巨神兵東京に現わる』、プロモーションビデオ部門はショートアニメーションの『LOVE LIKE ALIENS』、ゲーム映像部門は『AGNI’S PHILOSOPHY - FAINAL FANTASY REALTIME TECH DEMO』、テレビ番組部門は『坂の上の雲 第3部』が選ばれた。映像制作におけるVFXの広がりもあり、受賞作品がアニメ、ゲーム、時代劇など様々な分野から選ばれている。VFX-JAPANアワードは、一般社団法人VFX-JAPANが主催する。日本のCG・VFX産業の振興を目指す一環として、2011年11月~2012年11月末までに制作または公開された優れた作品を選び出し、顕彰する。2013年より新たに始まった。選考にあたっては、まず6部門各4作品、全24ノミネートを選出、その中から VFX-JAPANの理事、会員、有識者が投票を行った。『ALWAYS 三丁目の夕日‘64』は、60年代の東京を見事に再現した映像が話題を呼んだ。白組がVFXを担当、山崎貴監督は自らVFXの指揮も執る。劇場アニメーション映画部門優秀賞の『friends もののけ島のナキ』も山崎貴監督作品、日本では珍しいフルCG子ども向けの大作アニメーション映画である。キャラクターアニメーションの質の高さ、さらに興行的な成功も話題を呼んだ。山崎貴監督は映画2部門でのダブル受賞となる。やや驚きを与えるのはCM、博展映像部門の『巨神兵東京に現わる』だろう。本作は、2012年夏に東京都現代美術館で行われた企画展「館長 庵野秀明特撮博物館」のために、樋口真嗣監督のもと制作された。最新のデジタル技術でなく敢えてミニチュアの特撮技術にこだわった。デジタル技術が主となるVFXの世界での異色作だ。『LOVE LIKE ALIENS』は、Rashad Haughton監督・脚本によるフルCGのショートアニメーションである。国際的なスタッフによる取り組みで、日本からは石岡友敬さん、空山基さん、田中達之さん、STUDIO4°C、白組が参加する。ゲーム映像部門の『AGNI’S PHILOSOPHY - FAINAL FANTASY REALTIME TECH DEMO』は、ゲーム会社のスクウェア・エニックスの持つ技術、感性を結集させた話題作である。日本のゲーム映像の最先端が表れている。VFX-JAPANアワード2013[受賞作品]■ CM、博展映像部門『巨神兵東京に現わる』 ■ プロモーションビデオ部門『LOVE LIKE ALIENS』 ■ ゲーム映像部門『AGNI’S PHILOSOPHY - FAINAL FANTASY REALTIME TECH DEMO』 ■ テレビ番組部門『坂の上の雲 第3部』 ■ 劇場アニメーション映画『friends もののけ島のナキ』 ■ 劇場公開映画部門『ALWAYS 三丁目の夕日’64』山崎貴監督受賞コメント 「おそらくこの賞は作品のシリーズ全体に対して頂いたような気がしています。特に今回の作品はステレオ3D作品だったのでスタッフが本当に大変な思いをしました。全部本編を現場で撮ってしまったので奥行に合わせたCGを作らなくてはならず、位置合わせがとにかく大変でしたが、皆が頑張ってくれました。彼らに良いお土産ができて良かったです。このアワード自体は今年始まったばかりですが今後も続いてくれれば、この賞を取る事を僕らも目標に出来ると思いますし、スタッフ達にとっても一つの目標にもなるので、これからも続けていってほしいなと思います。僕らもまた、この賞を狙えるような次の作品を作っていきたいと思います。」第23回ゆうばり国際ファンタスティック映画祭http://yubarifanta.com/VFX-JAPANhttp://vfx-japan.com/