2月7日、川崎市のシネマコンプレックス「チネチッタ」にて、第67回毎日映画コンクールの授賞式が行われた。日本映画大賞を受賞した『終の信託』は終末医療を題材に医師と患者の愛を描いた作品で、周防正行監督らしいディテールを積み重ねた説得力と完成度の高さで見事大賞を獲得している。また日本映画優秀賞、監督賞、スポニチグランプリ新人賞の3賞には、様々な立場の高校生を描いた群像劇『桐島、部活やめるってよ』が選ばれ、リアルなセリフのリズムと物語の構成力が評価されている。アニメーション映画賞は狼男の子供とその母親の日々を感情豊かに描いた『おおかみこどもの雨と雪』が選ばれた。また実験的なアニメーション映画を対象とした大藤信郎賞には、江戸時代の大火に翻弄される男女を描いた短編作品『火要鎮(ひのようじん)』が選ばれている。これらについては別記事にて、『おおかみこどもの雨と雪』の細田守監督と『火要鎮』の大友克洋監督による受賞後のコメントを紹介しているので、そちらもあわせてチェックしてもらいたい。受賞結果については以下のとおり。第67回毎日映画コンクール(受賞結果リスト)■ 日本映画大賞 『終の信託』■ 日本映画優秀賞 『桐島、部活やめるってよ』■ 外国映画ベストワン賞 『ヒューゴの不思議な発明』■ 監督賞 吉田大八(『桐島、部活やめるってよ』)■ 脚本賞 ヤン・ヨンヒ(『かぞくのくに』)■ 男優主演賞 夏八木勲(『希望の国』)■ 女優主演賞 田畑智子(『ふがいない僕は空を見た』)■ 男優助演賞 加瀬 亮 「アウトレイジ ビヨンド」■ 女優助演賞 安藤サクラ(『愛と誠』)■ スポニチグランプリ新人賞 東出昌大(『桐島、部活やめるってよ』)三吉彩花(『グッモーエビアン!』)■ 田中絹代賞 田中裕子■ 撮影賞 芦澤明子(『わが母の記』)■ 美術賞 部谷京子(『天地明察』)■ 音楽賞 大島ミチル(『僕達急行 A列車で行こう』)■ 録音賞 志満順一(『北のカナリアたち』)■ ドキュメンタリー映画賞『ニッポンの嘘 報道写真家 福島菊次郎90歳』■ アニメーション映画賞『おおかみこどもの雨と雪』■ 大藤信郎賞『火要鎮』■ TSUTAYA映画ファン賞日本映画部門 『テルマエ・ロマエ』■ TSUTAYA映画ファン賞外国映画部門 『アベンジャーズ』■ 特別賞 黒澤満