2012年に米国で高い評価を獲得したストップモーション・アニメーション『パラノーマン ブライス・ホローの謎』が、米国の映画賞レースで話題を呼んでいる。その映像表現の素晴らしさから、全米各都市の映画批評家協会賞の受賞やノミネートが相次いでいる。2月2日には、国際アニメーションフィルム協会ハリウッド支部が発表したアニー賞でキャラクターデザイン賞(ハイディ・スミス)、キャラクターアニメーション賞(トラヴィス・ナイト)の2部門を獲得した。アニー賞はアニメーションのアカデミー賞とも称される存在で、『シュガーラッシュ』や『メリダとおそろしの森』、『マダガスカル3』、『フランケンウィニー』といった有力作品が並ぶ中で、キャラクター表現の分野で断トツの評価となった。『パラノーマン ブライス・ホローの謎』の特長は、全編をストップモーション・アニメーションで表現したことだ。細部までこだわって制作された人形を少しずつ動かすことで、連続した映像とする。近年、増えているCGアニメーションと異なるのは、実際存在するものが持つキャラクターや背景の質感である。今回の受賞もそれが評価されている。アニメーション制作は、国内では2010年に公開され大きな話題を呼んだ『コララインとボタンの魔女』を手がけたライカ・エンターテインメントである。ストップモーションは、制作に時間と資金がかかることで知られるが、本作も構想10年、制作期間3年を費やした大作だ。本作は、日本でも公開が決定している。2013年3月29日に、TOHOシネマズ みゆき座ほかで全国ロードショーとなる。死者が見える不思議な能力を持つノーマンは、ブライス・ホローの町を救えるのか?劇場で是非確認したいところ。そして、映画公開前には、すでに『パラノーマン ブライス・ホローの謎』もノミネート作品となっている米国アカデミー賞長編アニメーション賞も発表される。こちらの行方も気になるところだ。『パラノーマン ブライス・ホローの謎』3月29日(金)TOHOシネマズ みゆき座ほか全国ロードショーhttp://paranorman.jp/ 配給: 東宝東和