大好評公開中の映画『伏 鉄砲娘の捕物帳』をクリエイターが語る4週連続イベントの第4弾が、11月18日に東京・シネ・リーブル池袋で開催された。宮地昌幸監督をホスト役に、大河内一楼さん(脚本)、米林宏昌さん(『借りぐらしのアリエッティ』監督)、宮野真守さん(信乃役・声優)と豪華ゲストが注目を集めた連続イベントは、最後となった今回も超大物ゲストを招いた。映画の原作『伏 贋作・里見八犬伝』の作者・桜庭一樹さんと本作のビジュアルイメージを担当したokamaさんである。分野は違ってはいるものの、それぞれ大きな実績を持つ3人だけに、意気投合した楽しいトークが繰り広げられ、満員となった会場のお客さんを喜ばせた。小説の映画化は、テキストのイメージと完成したイメージが異なることが少なくない。今回、桜庭一樹さんは、原作との違いを色のイメージで語った。桜庭一樹さんにとって本作は、もともとはモノクロームなイメージだったという。それが映画ではカラフルで、近未来的、SFぽくなったことに印象を受けた様子だ。ただ、それは否定的なものでなく、「全然違うけれど、観たかったもの」と評し、ポジティブに受け止めていた。逆に、ビジュアルイメージを担当したokamaさんと桜庭一樹さんが一致したのは江戸の町のイメージだ。Okamaさんは、「アジアぽくは見えないけれど、江戸っぽく」を目指したと話すと、桜庭さんは「西洋ぽい、ゴシック」とそのイメージを説明する。さらに宮地監督は、当初okamaさんに「アバンギャルドにやってください」と話したエピソードを紹介。3人3様に、常ならぬ江戸を考えていたのが面白い。映画の個性溢れる江戸の町は、そうして生まれたわけである。また、宮地監督が桜庭さんに特注の帽子をプレゼントする場面もあった。これは劇中で小説を書く少女・冥土のキャラクターが被っているものと同じものである。実は冥土には、原作者桜庭一樹さんのイメージも投影されていたという。それだけに帽子姿の桜庭さんは、冥土さながらのお似合いだった。公開からおよそ1ヵ月となったが、『伏 鉄砲娘の捕物帳』の上映はまだまだ続く。新宿地区では11月17日からは、スクリーンをテアトル新宿から角川シネマ新宿に移している。『伏 鉄砲娘の捕物帳』http://fuse-anime.com 映画公開記念イベント第4弾 宮地昌幸監督×桜庭一樹さん×okamaさんトークショー開催日時: 11月18日(日) 16時50分の回上映終了後場所: シネ・リーブル池袋 予定ゲスト: 宮地昌幸(監督)、桜庭一樹(作家)、okama(漫画家・イラストレーター) 司会進行役: 柿崎俊道(聖地巡礼プロデューサー)