第25回東京国際映画祭のクロージング・セレモニーが28日、東京・六本木ヒルズで行なわれ、公式クロージング作品『人生の特等席』のロバート・ロレンツ監督が会見と、公式上映前の舞台挨拶に登壇した。 クリント・イーストウッドが俳優としてスクリーンに復帰する『人生の特等席』(11月23日公開)。メガホンをとったロレンツ監督は、本作が初監督作品となる新人監督で、イーストウッドに唯一弟子入りを許可された人物だ。 1989年に映画業界に入った彼は、『マディソン郡の橋』(1995年)で助監督を務めると、『ミスティック・リバー』(2004年)でプロデューサーに。それ以降も『父親たちの星条旗』(06年)、『硫黄島からの手紙』(06年)、『ヒア アフター』(11年)などの製作や助監督を務め、常にイーストウッドの近くで映画作りを学んできた。 クロージング・セレモニーに合わせて来日し、作品への思い、そして師匠であるイーストウッドのことを語った。 「脚本が届いた時、自分もイーストウッドも、内容が大変ポジティブで気に入った。私がずっと監督をやりたがっていたことを知っていたイーストウッドは、『君がこの作品を監督するべきだ』と言ってくれた」と経緯を語る。 イーストウッドの下で学んだことについて、「イーストウッドには、映画作りだけでなく、人生についてもたくさん学んだ。一番大事なことは自信を持つことだと学んだ」と、映画制作だけでなく人生において大事な事を学び続けてきたと明かした。 そして「イーストウッドは、彼のやり方を熟知した私を信頼して、監督を任せてくれたんだ」と、師匠と弟子の信頼関係を語った。ストーリー …… イーストウッド演じるガス・ロベルはメジャーリーグのスカウトマン。球団は男をお払い箱にしようとしていた。視力が衰えたとはいえスカウトマンとしての自信と誇りは失っていないガスは、最後のスカウトの旅に出る。手を貸したのは、父との間にわだかまりを感じつづけてきた一人娘のミッキー。父娘が旅の終わりに見つけたものは?