米コンサルティング会社のインターブランドは10月2日、2012年の世界の企業ブランド価値ランキングを発表した。それによるとアップルやアマゾンなどIT革命をけん引する企業が大きくブランド価値を伸ばす一方で、こうした波に乗り遅れた企業の落ち込みが目立つ結果となった。2012年の世界の企業ブランド価値ランキングで、前年に対してブランド価値を大きく伸ばしたのはアップル(総合順位2位、前年比129%増:以下同じ)、アマゾン(20位、46%増)、サムスン電子(9位、40%増)、日産自動車(73位、30%増)、オラクル(18位、28%増)となった。インターブランドの日本法人でブランド価値評価に関するコンサルティングを担当する田中英富氏は「今、スマートフォンからタブレットにシフトしているが、アップル、アマゾン、サムスンといった、IT革命、デジタル革命をけん引しているブランドの伸び率が非常に高くなっている。またオラクルもIT革命を支える、データベースのB to Bブランドとしてブランドの価値を大きく伸ばしている」と解説する。一方、前年に対してブランド価値を下げたのが、ブラックベリー(総合順位93位、前年比39%減:以下同じ)、ゴールドマンサックス(48位、16%減)、ノキア(19位、16%減)、モエ・シャンドン(98位、13%減)、ヤフー(97位、13%減)の順。「ブラックベリー、ノキアは逆にスマホ革命に乗り遅れてブランド価値を大きく下げた。そしてLIBOR(ロンドン銀行間取引金利)の不正操作などで金融のブランドも今年、価値を下げており、その中でもっとも大きく下げたのがゴールドマンサックス」と、田中氏は今年のランキングを振り返った。