佐賀県武雄市の樋渡啓祐(ひわたしけいすけ)市長は24日、私的な年賀状用の住所録をネット上で公開していたとして、謝罪する文章をブログに掲載した。 樋渡市長は「今晩、Twitterで知ることになったんですが、2年前の私の年賀状用の住所録に関して、バックアップとしてYahoo!フォルダーに入れていたところ、誤って設定を、非公開とするはずを公開にしていました。その結果、今日、住所録(個人名/住所)の流出が認められました。この場を借りて、関係者の皆さんには深くお詫びします」との文章を掲載した。 ファイルはYahoo!ブリーフケースにおいて、プレスリリース資料とともに公開されていたが、公開されていたファイルは、住所録以外のものも含め、現在はすべて削除されている。 なお、選挙区の有権者に賀状等を送るのは、公職選挙法違反となるが、「答礼のための自筆によるもの」であり、違反対象にはならないとの説明も行っている。 武雄市および武雄市長については、公共図書館へのTカード導入を巡り、個人情報の流出が懸念されるなど、さまざまな問題点が指摘されている。一方で、批判しているセキュリティ専門家たちに対して、市長がブログに反論を掲載するなどしていたが、今回、個人情報の扱いに対する認識の甘さを自ら露呈してしまった形だ。 これに対し、セキュリティ専門家で、武雄市の問題点を指摘し続けてきた高木浩光氏は、「いやはや。2010年にもなってこれはないわ。2002年にはよくあったが」とツイートしている。また、図書館利用者の顔がそのまま映っている写真を、樋渡市長がflickrで公開していることに対しても、「こういうのも、肖像権のショの字も頭にないんだろう」と批判している。